逸品発見!PIONEERのプリメインアンプA-D5aの実力を堪能する【レビュー/評価】

SONYのTA-F333ESRという名機を中古で購入してずっと使ってきたのですが、厳寒期にはスイッチの接点が不安定になり、ギャングエラーも出るし、音質が安定しないのでもやもやして、ネット上の中古ショップを渉猟していたところ、エントリークラスの軽量プリメインアンプが欲しくなってきました。一台手元に確保しておいて、これを音質の基準にし、他のアンプの特性を把握しようと思ったのですね。特にトロイダルトランスを使った機種が試してみたくて、ケンブリッジオーディオの安すぎるプリメインアンプや、DENONのPMA-390の初代機を買ってみようと探っていました。

■ただ、PMA-390の初代はさすがに年数が経っていて、状態の良いタマがないですね。もともと安手なエントリー機種なので経年劣化にも弱いでしょうし。というところで躊躇していたところ、ハードオフでたまたま目についたのが、PIONEERのA-D5aというプリメインアンプでした。
audio-heritage.jp
www3.ic-net.or.jp

■正直聞いたことのない機種でしたが、1990年代後半にそれなりに何代か改良を重ねた機種らしく、しかも軽量でたった6.2kgしかない。しかも電源部にトロイダルトランスを抱いた構成で、MOSーFET採用とのこと。(MOS-FETの特性はあまり知らないのですが。)あまり有名な機種ではないので当然ながらお値段も実にお安くて、しかも完動品らしいので、試しに買ってみました。


■まずは、我が家の定番DENONのスピーカーCX101に繋いでみましたが、これ音質的にはなかなかの逸品じゃないでしょうか。TA-F333ESRではややもっさりしていたCX101が急にメリハリたっぷりで高音域が生き生きと伸びて、拡がる。CX101のツィーターは経年劣化でヘタっていると思っていたのですが、生き返ったかのような生々しさと鮮烈さ。見事にCX101が若返りました!

■以前にCX101にヤマハのA-S501を繋いだことがあって、このときはCX101の音色が急にハイ上りになって、腰高でスカスカで驚いた(笑った)ものですが、今回はあの経験にちょっと似ている。でも良い方向での驚きです。A-S501は中古とはいえ使用時間の浅いタマだったらしく、当初、低音の押し出しが弱すぎたのが原因だったのですが、今回のA-D5aはすでに十分使い込まれているので、低音部もしっかりと押し出しながら膨らまずに抑制的です。加えて高音部の精細さが特徴です。

■このバランスの良さは、なかなかの聴きもので、安価な軽量アンプなので正直もっとナローなおとなしい出音かと思ったのですが、かなり広い音場が広がります。メリハリは強めだと感じますが、不自然な誇張感はなくて、クラシックなんて実に自然に音色に聞こえます。ボーカルの輪郭もくっきりするし、すっかりTA-F333ESRの駆動力を凌駕してしまいました。A-S501もフラットで良いアンプですが、躍動感でも質感的にも超えている気がします。なんでこんなにいい音なんだろう?

参考



maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
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さすらいのオーディオ試聴旅!2023年の幕開けは、ローエンド対決!ポークオーディオ ES10✕DENONのSC-M41

■さすらいのオーディオ試聴旅、といいながらちっともさすらっていませんが、今回ははじめてエディオン京都四条河原町店に行ってきました。四条河原町阪急の撤退後にエディオンが入ったことは知っていたのですが、ピュアオーディオコーナーがあることは先日まで知りませんでした。たまたま調べてみたら、ピュアオーディオコーナーと明記してあるので、驚きました。他のエディオン店舗にもあるのでしょうか。

■しかし、行ってみるとピュアオーディオコーナーは閑散としており、誰もいません。それは好都合なんですが、機器の切り替えは定員さんを呼ばないとできないシステムのようで、勝手に機材を触れません。だから誰もいないわけで、もったいない限りです。アキュフェーズとかマッキントッシュのプリメインアンプが置いてあって、ヨダレが出たのですが。聴きたかったなあ。

■でもその近くにミニコンポコーナーがあり、これが意外と充実していたので、そちらをメインに試聴しました。今回は特にポークオーディオのコンパクトなスピーカーが展示してあったので、これを中心に聴きましたよ。なにしろ珍しいので。

■レシーバーアンプはデノンの売れ筋、ローエンド機といってもいいと思いますが、RCD-M41でした。これに純正のスピーカーであるSC-M41とポークオーディオのELITE ES10が繋がっていたので、ジャズボーカルとポップスを聴きましたけど、個性の違いが明瞭でした。

■SC-M41はいかにもデノンらしい音作りが確固たる個性が確認できました。音域は低音よりで、明らかに暖かな音で、エッジを丸めた表現ですね。聴き心地が良くて、音の広がりは狭いけど、まとまりがいい感じ。高音が出ていないわけではないけど、伸びないし、耳に刺さらない。音素の輪郭はボンヤリしているので、若干籠もった音と感じるかもしれない。

■一方、ES10は明らかに低音粋がタイトです。低音域が広がらず、引き締まって、早い印象です。SC-M41の12㌢に比べて、ウーファーは10㌢ですからね。一方で広域は伸びと広がりがあるけど、耳に刺さるほどではない。いわゆるウォームな音調ではないけど、寒色という風でもない。音素は分離しているが、音場は狭い。

■という感じで、正直なところ非常に安いSC-M41って優秀だなあと感じました。さすがに老舗の音作りなので、ローエンドでもこれだけ納得感のある品質なんだと感心しました。もちろん、至近距離での試聴なので、そこは割り引く必要があります。音調は、今も愛用しているCX101に非常に似ていると感じました。価格はかなり違うのですけどね。

■一方、比較のために隣のB&Wの607を聴いてみると、やはり特徴がはっきりしますね。レシーバーはマランツのM-CR612なので、組み合わせとしては高音域に特徴があり、広域が伸びるし広がるし、分離感と立体感が際立ちます。その違いは誰の耳のも明白でしょう。

■これに比べるとSC-M41は音が団子になっていて、音場の広がりも感じられません。でも音のまとまり感が好印象です。ポークオーディオのES10は、高音の伸びで似ている感じがしますが、音の分離や音場の立体感は希薄です。以前に聴いたES15は声の太さが特徴だと思いましたが、ES10ではそうでもなかったですね。ウーファーのサイズが違うので当然かも知れません。

■という感じで、結局どう感じたかといえば、B&Wのスピーカーを使ってみたいなあというのが結論です。マランツのアンプと組み合わせると明らかに高音域が作為的に聞こえるし、キツイのですが、ヤマハのアンプだとどうだろうと興味がつきません。相性がいい気がするのですがね。

さすらいのオーディオ試聴旅!POLKオーディオは、確かに美味かった?の巻

【最終更新 2022/11/27】
■ハロー、オーディオファンのみなさん。。。オーディオネタを投稿するのも随分久しぶりですね。実はそのなんというか、結構深刻な理由もあるのですが、かなり重要な内容でもあり、後日記事をアップしたいと思います。

■さて。。。例によってヨドバシカメラ京都店を覗いてみるとオーディオコーナーが閑散としていたので、最近気になっているポークオーディオのスピーカーを聴いてきました。日本では2年位前に正式な取り扱いが再開され、オーディオショップに一気に展開しているところです。その代わり(?)Klipschのスピーカーが店頭から消えてしまいました!

■アンプはマランツのそこそこクラスのPM8006が繋がっていました。これ、ちょっと欲しい気がするので、アンプはこのままで聴きました。でも、ちょっとパワー不足感が感じられましたけどね。

■肝心のスピーカーはポークオーディオのElite ES15を選択しました。ウーファーが13センチのやつですね。ブックシェルフでは13センチのウーファーがベストマッチだという話をどこかで読んだ気がします。(気のせい?)経験的にも確かに10センチウーファーだとちょっとした不足感を感じますよね。

■女性ジャズボーカルが鳴っていましたが、Elite ES15は予想以上に良かったですね。音の広がり感もあり、もっと大きなスピーカーが鳴っているのかと錯覚する感じです。

■そうそう最初はDALIのMENUETが繋がっていて、これは例によって小さいながらスケール感のある朗々とした鳴り方をするのでビックリする名機ですが、これからElite ES15に切り替えても音の広がり感は遜色を感じなかったですね。まず、これでビックリしました。ポークオーディオ、意外とやるなあ。

■さらに比較のため、明らかにクラスが違うB&Wの705S2も聞きましたが、こちらはマランツのアンプとの組み合わせなので、例によって高音の音素がシャラシャラ鳴りながらきらびやかな音色を演出します。でもボーカルが、良く言えば精細、悪く言えば線が細くなり、特徴としては寒色で細密な感じになります。

Bowers & Wilkins 705 S2 グロスブラック(ペア)

Bowers & Wilkins 705 S2 グロスブラック(ペア)

  • Bowers&Wilkins(バウワーズ&ウィルキンス)
Amazon

■いっぽう、Elite ES15に切り替えると明らかに女声に厚みが出ます。解像感は劣るし、高音のキラキラ感は減退するけど、声の太さとハリはこちらのほうが上。ジャンルによってはこちらのほうが描写が上手い気がします。オーケストラなどは絶対にB&Wの方が向いている気がしますが、ボーカルものはPOLKに歩がある気がします。ネット上の評判としても、ポークオーディオのスピーカーは声が太いと言われていて、確かにその表現は合っていると感じました。B&Wと聴き比べると確かに一目瞭然の差があります。

■声の描写が良いと、古いポップスとかR&Bとか歌謡曲は得意なはず。わが家には向いている個性的なスピーカーじゃないかと感心しました。これは俄然欲しくなってきたなあ。。。

■ちなみに、ポークオーディオは「POLK」で、「PORK」ではないので、ブタちゃんとは関係ないですよ!でも、日本語の語感としては、ポークと言われると豚肉しか思い浮かばないので、ちょっと損している気がしますね。実際、日本向けには改名したほうが売れると思いますよ!

さすらいのオーディオ試聴旅!一聴瞭然、好対照の聴き比べ!B&W 707S2 VS DALI MENUET MR

■たまたまヨドバシカメラに立ち寄ったので、ミニコンポコーナーで、聴き比べができました。マランツの人気CDレシーバーM-CR612に、好対照とも言える小型スピーカーが繋がっていたのですね。しかも、ちょっとお値段高めの奴が。

■一つは、おなじみのダリのメヌエットです。

これはこれで、非常に朗々と歌う「小さな巨人」で、びっくりするくらいのスケール感を演出する美音系のスピーカーです。久しぶりに聞きましたが、明らかに暖色系のチューンナップで、なんでも美音にしてしまう傾向があります。その演出が上手なんですが、個人的にはヌケの良いスカッとパワフルな鳴り方が最近は好きなので、どうもいまいちハッとするところがないと感じます。

■これに対して、同じくメジャーなB&Wが繋がっていました。

B&Wのスピーカーはこのところスルー気味だったので、何年も聞いておらず、モデルチェンジもフォローできていないのですが、707 S2はどうも昔のCM1の子孫らしいですね。

CM1 → CM1 S2 → 707 S2

といった進化を遂げたようです。

■CM1は高評価だったものの、高音が耳に刺さり、セッティングが難しいという噂で、なかなか使いこなすのが難儀だったらしいけど、707 S2は雑に置かれてあったものの、ハッとする良い音でしたね。マランツのアンプで鳴らすので、明らかに高音が耳につくキツめの音で、ああ、これがおなじみのコンビの音色だなあと懐かしく感じましたよ。でも、音の広がりとか、精細感は、やはりハイファイ感を強く感じさせます。

■明らかに寒色系の音色で、近くで聞くと高音が耳に痛いけど、距離をおいて聴くと音場の広がりかたが気持ちいいはずと感じる。昔は高音キツめのスピーカーは敬遠していたけど、音場の立体感や広がりを出すには、高音を精細に表現することが欠かせないと、最近知りました。要は、離れて聞けばいい音作りなんですね。一青窈の歌を久しぶりに聞きましたが、ボーカルの高音に張りがあって伸びたほうが気持ちよく聞けますね。

■しかも707 S2はスピーカーの筐体の作りも美しくて、ピアノブラックの筐体は惚れ惚れするテカリでした。背面のバスレフの作りも凝っていて、見ているだけで楽しいクオリティの高さです。これは、欲しくなるなあ。ちょっと広めの部屋で鳴らすのが適当だろうと思います。小型ですが、ニアフィールドで聴くスピーカーではないと思います。


さすらいのオーディオ試聴旅!ビックカメラなんば店の巻 KEFのQ150がいい感じ!

■ちょっとしたついでに難波のビックカメラのオーディオコーナーを久しぶりに訪れてみました。まず場所が変わっているので驚きましたが、一応閑静な場所が用意されているので安心しました。しかも、他にお客さんもいない。

■ただ、品揃えが偏っていて、スピーカーはダリ、B&W、ポークオーディオ、タンノイくらいしか置いてないです。モニター・オーディオも見かけなかったなあ。CDが入っていたのは、中島美嘉のアルバムでした。

■むしろ、アンプの切り替えでアンプの素性がよくわかりました。スピーカーをタンノイのStirlingGRに固定して、アンプを切り替えると、デノンのPMA-600NEはさすがに味付けが派手。これは明らかに目立ちます。元気なのは確かだけど、キンキン、カンカンのドンシャリの世界ですね。でもJBLのL52 Classicとはよく合います。
www.esoteric.jp

■StirlingGRのまま、アンプをヤマハのA-S1200に切り替えると、ずっと静かに大人しくなりますが、精細で不足は感じません。品が良いです。

■我が家で使っているA-S501に切り替えると、どうでしょう。。。あれ、差がわからない。StirlingGRは同じく気持ちよく鳴ってます。切り替えスイッチを交互にいれてみますが、目をつぶればどちらのアンプにつながっているのかほぼわからない。まさに不都合な真実です。A-S1200の方が僅かに低域が引き締まっている気はしますが、もともとが低域は絞り気味なヤマハのアンプなので、分かりやすい差は感じられない。

定価ベースで、A-S1200は286,000円(税込)、いっぽうA-S501は71,500円(税込)で、実に4倍(測ったようにぴったり)の差があるのですが、たぶんブラインドテストで聴き比べすると、その差は分からないと思います。。。

■これ、オーディオ趣味界隈の深い闇ですね。この、あるかないかわからないくらいの微妙な音質の変化を求めて、4倍、5倍のコストを投入しようかという気になってくるというのですから、オーディオ沼は恐ろしい。客観的に考えて、気の迷いとしか言いようがありません。まあ、デノンとマランツみたいに、誰が聞いても明らかに音質が異なるものもありますけどね!

jp.yamaha.com

■タンノイのStirlingGRが良いのは一聴瞭然で、これがあれば満足できるのは確かなのですが、試しにKEFのQ150に切り替えてみると、、、おや?これで十分じゃないか?ボーカルが鮮明に聞こえるし、勢いがある。声に艶じゃなくて張りがある。音場の広がりも気持ちいい。どちらも同軸スピーカーなので、個人的に同軸の音が好きなのかもしれない。試しにKEFのQ550に切り替えてみたけど、これはあまり鮮烈じゃない。スピーカーと耳の位置関係の問題かな。Q150は低音がブーミーという話も聞きますが、試聴コーナーのセッティングにもよるかもしれません。全く違和感はなかったですね。

DALIのSKEPTOR6は明らかに派手目なAV用途的な味付けで、でも一見、印象が良いですね。いわゆるドンシャリな味付けだと思いますが、スケール感が出るので、映画を見るのには良さそう。ただ、狭い部屋だと音が飽和するかも。安いクラスなのに実に優秀という印象で、使い方次第で音楽用にも十分いけると思う。

■でもクリプシュがなかったので、残念だなあ。なぜかクリプシュのトールボーイに心惹かれる。。。

格安トールボーイスピーカー聴き比べ!クリプシュが欲しい!

■久しぶりにヨドバシカメラ京都店でスピーカーの聴き比べができましたよ。ピュアオーディオコーナーが奥まった静かな環境から、賑やかな場所に追いやられて絶望していたところですが、ちょっと遅い時間帯に行ったので、試聴は可能でした!

■リビングで使うには、やっぱりブックシェルフでは力感不足で、トールボーイが欲しいかなあと感じて、物色していますが、最近のトールボーイは安くて良いのが出ているようですね。

■アンプはマランツのPM7000Nだったと思います。トールボーイスピーカーとしては、昔見かけなかったクリプシュのR610Fがあるで、まずはこれを聞きました。ジャズボーカルです。悪くないですよね。ハキハキしてます。音もよく広がります。サイズ的に奥行きが長いのが特徴ですね。

https://www.klipsch.jp/products/r-610f-floorstanding-speaker.htmlwww.klipsch.jp

■次は、お馴染みのダリのSPEKTOR6ですが、安いのにこれ良いですね!クリプシュと比べても、さらに音に広がりがあるし、音素に艶がある。これはダリの持ち味でしょうが、お安いこのクラスでも艷やかというのが凄いね。。。

■一方、最近名前を聞くようになったポークオーディオの多分ES50ですが、これは中庸という感じで、決して悪くない。クリプシュよりは大人しい感じか。妙に安いので、筐体の素材はいかにも安手で、高級感は皆無だけど、そこはアメリカンテイストですね。クリプシュも同様。JBLもそうね。サイズ的に奥行きは短くて、全体的にコンパクトです。

■アンプがスッキリ系のマランツだったので、その色付けもあると思うけど、どれもトールボーイの低音が制御できていないブーミーなイメージはなく、すっきりと音場が広い感じが良いと感じました。安いのに優秀だなあというのが素直な感想です。ブックシェルフとの違いも明確ですね。

■個人的には、あまり評判を聞かないクリプシュを一度使ってみたい気がします。安いし、映画や古い歌謡曲などにはパンチが効いてそうなので、リビングには丁度いいのではと思いますが、ちょっと高音がキツイかもしれませんね。悩むなあ。

これが「マツダ ハーモニック アコースティックス」の実力だ!その意外な嗜好性とは?

■うちのブログはもともと趣味性の高い映画ブログなんですが、むしろオーディオネタの方がアクセスが多いかもしれないという、残念な傾向があります。。。いや、どっちも大好きなので良いんですけどね!

■さて、今回は、オーディオはオーディオでも、カーオーディオの話題で一席ぶってみましょうか。久しぶりにレンタカーを借りたので、マツダ3用に新規に開発された「マツダ ハーモニック アコースティックス」の素性について記録しておきたいと思います。以下の記事にその概要が記されていますね。
response.jp
gazoo.com

■とはいえ、マツダ3のカーオーディオについてオーディオマニア(?)の視点からの記事は意外と少ないようなので、参考のために個人的な印象を備忘的に記録しておきます。

■そういえばCX30も試乗しているので、そのときにも「マツダ ハーモニック アコースティックス」は経験しているのですが、あまり真剣に聞く機会がなかったので、今回はいい機会でした。常用しているUSB持参で聞きましたよ。

■でも、その印象は今使っている前世代のマツダ社のレギュラーオーディオとそんなに違わないよねという感想でした。前世代のマツダ車のオーディオはベトナム製スピーカー(@デミオ)を使った安手の仕様ですが、なぜか意外と音が良いのですね。特に小型車でその傾向があり、容積の小ささが有利に働いていると感じます。

■一方「マツダ ハーモニック アコースティックス」の特徴は高音を受けもつツィーターの設置位置を変更した点で、これが最大の効果を生んでいます。ドライバーのほぼ耳の位置にツィーターがあるので、高音が鮮明で、定位に優れる。この効果がもっとも目立ち、従前のオーディオシステムとは段違いな精細さと鮮明さを生む。

■一方、低域は非常に上品で、下品なドンスカいう重低音は出さない。明らかに、品の良いピュアオーディオ志向だ。ドンスカが良い人にはアメリカ指向のBOSE仕様も用意されているから、明確な棲み分けが設定されているのだ。従前からマツダサウンドはスッキリ指向で、欧州車のもっと重低音が厚いオーディオメーカーの設計とは一線を画す。これは明確な意思のするところだろう。(MINIのオーディオは分厚くて良かったなあ)

■でも、個人的に愛好する昔の歌謡曲とか、GSサウンドとか、リズム歌謡とか、R&Bには向かない。パワフルなガッツがないからだ。音質が上品すぎるからだ。筆者の好きな和田アキ子とか黛ジュンとか朱里エイコはいまいち弾けない。

■で、ああ残念だなあ、これなら従前のシステムとそう変わらないなあと感じていたところ、NHKのFM放送でクラシックを流したところ、印象が激変した。これが実に良いのだ。従前のシステムでは明らかに力不足で、スケール感も立体感もなくて、ちっとも楽しくなかったクラシックの楽曲が、実に鮮明に立体的に再生される。「マツダ ハーモニック アコースティックス」は、本格オーディオ志向だったのだと実感される瞬間だ。欧州で売ることを意識して、クラシックの再生能力に力点をおいて設計したように感じる。ロックとかポップスの派手な楽曲にはBOSE仕様を用意したから、マツダ純正のオーディオはとことん上品にまとめるよというメッセージを感じた。その意気や良しというところだ。さすがにマツダの視点はマニアックだ。
www.phileweb.com

■ちなみに、マツダ3(1.5リッターガソリン車)の車としての面白みは、その走りにあり、実に機敏に走ります。非力という声も聞きますが、普通に街中を走るについてはなんの不足もありません。アクセルを必要なだけ踏めば気持ちよく加速します。あっという間に80キロくらい出ますから、要注意です。その操作性の気持ちよさはさすがにマツダ車です。これ以上の加速性能は、交通法規を無視した世界に突入すると思います。

■ただ、最大の欠点乗り心地の悪さで、むしろ年次改良で洗練されたマツダ2の方が良いくらいですね。道路の段差でゴンゴン突き上げが来ます。これは低速度域で顕著で、速度が出てきて、路面状態の良い道路だと、加速も意のままだし、滑らかで非常に気持の良い乗り心地でうっとりするのですが、低速域が弱いのがマツダ車の特徴ですね。この点は、多分年次改良でサスペンションが幾分改善されているだろうし、気になる人はあえてAWDを選択すれば、後部に重心が増すので、乗り心地は目に見えて改善するはず。(特に後部座席)この効果はデミオで経験済みです。

■さて、マニアックな映画の世界からプア・オーディオ経由でカーオーディオにも足を踏み入れた当ブログですが、いやあ、なかなか書いてて楽しいから、シリーズ化しようかなあ!(MINIのオーディオは明らかに高級だったなあ。。。)



サイケでポップでゴージャス!60年代ビート歌謡狂い咲き!『Nippon Girls』

最終更新:2022/1/2
■最近はもっぱら60年代から70年代前半の歌謡曲を中心に聞いてますが、もうホントに幸せですよね。聞きながら眠ってしまうと、そのまま天国へ行けるんじゃないかと思いますよ。ホントにそうなら良いのに、目が覚めますけどね!

■いまどきはyoutubeに当時のレコード音源が大量にアップされていて、聞いたこともない昔の歌の宝庫です。しかも勝手に好きそうな歌を推薦されるので、エンドレスで聞いてると完全にトリップしちゃいますよ。昭和40年代に。ただ、推薦してくる歌が同じものばかりなので、AIといえども、まだまだ学習が必要です。もう少し気を利かせて、斬新な推薦曲を出してくれればいいのに。

■でもその中で出会ったのが、このCDです。全曲アップロードされていましたが、あまりに選曲が抜群なので、久しぶりにCD買ってしまいました。『Nippon Girls』というイギリスで発売されたCDです。中には有名な曲もありますが、それにしてもほぼ聞いたことがあるような、ないような楽曲ばかりでビックリです。こんな名曲が眠っていたのかと。いや、当時それなりにヒットもしたのでしょうが、ほぼ忘れられている。

■例えば『黄色の世界』はこんな歌です。

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どうでしょう。これ聞いて、グッと来たあなたはお仲間ですね。これは当時オクラになった歌なので、知らないほうが普通です。わたしも始めて聞きましたけど、昔の歌とは思えなかったですね。リマスターが良いこともあって最近の楽曲かと思ってしまった。作曲はアニメ版「月光仮面」「デビルマン」「流星人間ゾーン」で有名な三沢郷だ!天才作曲家だと思うぞ。

黛ジュンの名曲「ブラック・ルーム」「土曜の夜に何かが起きる」も始めて認識したのはyoutubeで聞いたときですが、リマスター音源のきれいな音質で聞けるのは非常にありがたいです。

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■泉アキの「恋はハートで」も有名な曲らしけど、認識したのは最近のこと。これもリマスター音質で聞けるので、感動もひとしお。良い音質で聞くと、メリハリが効いて実に快調ですね。

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朱里エイコの「イエイエ」も高音質で聞くのは初体験ですが、最高です。このジャケットの写真もたまらんものがあります。

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■さいきん森山良子の歌を個人的に再発見していたところなんですが、こんな歌は知りませんでした。初期の、聞くと寂しい気持ちになる名曲が個人的には沁みますが、「雨上がりのサンバ」も高音質で聞くとサイコーで、名曲ですね。何でも歌う人だなあ。

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弘田三枝子の「風とオトコのコ」も全く知らない歌でした。でも、聞くほどに味わい深い名曲ですね。弘田三枝子の表現力はホントに凄いので、こういうのを不世出の才能と呼ぶのでしょう。

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■とまあ、youtubeで昔の忘れられた名曲が気軽にいろいろ聞けちゃうのは非常にありがたいし、知らない楽曲との出会いがたくさん生まれたし、新たな価値創造の意義があると思うのだけど、しかし、ちゃんとしたステレオで、良い音質で聞くと当時の生演奏の素晴らしさが際立つので、ここまで記事を読んでしまったあなたは、絶対後悔しないから、ぜひCD買いましょう。100%絶対オススメです。特に良いオーディオシステムでガンガン鳴らすと、疲れ切った心と体に、何かいけない謎物質が滾ってくるのを実感できますよ!

参考

maricozy.hatenablog.jp

Nippon Girls 2

Nippon Girls 2

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この黛ジュンのアルバムはMP3のダウンロード版を購入しましたが、上記CDにも何曲か同じ曲が収録されていて、やはりリマスター版のCDの方が高音質です。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

SONYのプリメインアンプの往年の名機、TA-F333ESRは未だ健在なり!

■久しぶりのオーディオネタです。SONYの往年のプリメインアンプのヒット商品、TA-F333ESRを中古で買って、いまだにサブで使っているのですが、最近「ソースダイレクト」で聞くとバリバリとノイズが入ったり、音が歪んだりする状態を発症していたので、久しぶりに開腹してメンテナンスしてみました。

■といっても、カバーを開いて、ソースダイレクトスイッチ付近のホコリをエアで吹き飛ばし、接点洗浄剤を吹き付けただけで、部品を外したりはしていませんが、効果はテキメン、ノイズや音の歪みは一掃されました。持ち前の元気のいいエネルギッシュなサウンドが蘇りました!やっぱりいい音!

SONYのアンプはパーツの組み立てがシンプルで、メンテナンス性に優れており、素人でも結構メンテできるのがありがたいですね。中古で購入当初よりトラブルがありましたが、開腹してちょっとした手入れをすれば復活するので、大したものです。おかげで、なかなか手放せないですね。いまメインでヤマハの安いアンプを使っていて、涼やかで嫌味がないし、使い勝手が良いのでほとんど不満を感じないのですが、音楽のエネルギッシュさは、やはりSONYのコイツが秀でていますね。

■ワイドレンジではないし、高音域はあまり伸びないし、音数は多くないので、ハイレゾには馴染まないと思いますけど、音が太いタイプのアンプで、昔の音数の少ない音源には非常に相性がいいので、60~70年代の歌謡曲ロック系の音楽は痛快に鳴らします。低域の出にくい密閉型のスピーカーもバリバリ鳴らしますよ。

■さらに、強力なトランスのおかげで低域の瞬発力があるので、映画を見るのにもぴったりで、かなりメリハリの聞いたオーディオ表現になります。ホラー映画やアクション映画を観ると、ちょっとうるさい程です。でも、そうじゃないと映画鑑賞には向かないのですが。

わが家のコンパクトスピーカー聴き比べ:CX101×SX-500Ⅱ×SILVER RX1

【最終更新 2021/4/10】

聞こえない音が聞こえた!

我が家には今4種類のスピーカーが稼働中ですが、先日ひょっとしたことで、彼らの素性の違いが明瞭にわかる事件があったので、備忘的に記録しておきますよ。
まず、それぞれの性格が随分わかりやすく出ることになった、ある音源を紹介しましょう。それは、これです。👇

たまたま、和田アキ子のアルバムに収録された「古い日記」(DYNAMITE SOUL Mix)を聞いたことがきっかけになりました。
芸能界のご意見番かどうかは知りませんが、歌手としての和田アキ子は大好きです。ソウルフルな良い歌が多いので、最近ずっと聞いてます。名曲が多いですよね。
さて、それで何が違うかといえば、クラブ風のダンサブルなアレンジによる、打ち込みの人工的な重低音。ドスドスいうあれですよ。
多分、リミックス担当者の意図としては、サブウーファで鳴らすことを想定しているのでしょう。
かなり低い周波数帯に、音楽的とはいいかねる原始的な打撃音がミックスされています。これがどう聞こえたかというお話です。

MONITOR AUDIOのSILVER RX1の場合

MONITOR AUDIOのSILVER RX1というスピーカーはもともとワイドレンジで、リアバスレフの設計でもあり、かなり沈み込む低音が出ます。なので、ブックシェルフながら映画を観るにも最適で迫力があってありがたいし、交響曲は我が家ではこれじゃないと全く臨場感が出ないという、なかなかの実力派。
で、試しにこれで上記の「古い日記」(DYNAMITE SOUL Mix)を聞いて驚きました。ドスドスいう打ち込みの重低音が、耳ではなく身体に音圧として感じられ、これまでDENONのSC-CX101で聞いていたのと、随分印象が違うのでした。
ちなみのこのときのアンプはM-CR610です。マランツなので、基本的に低音部分はスッキリしているのですが、デジタルアンプなので、結構素直に低音部分を押し出します。サブウーファの周波数帯ではありませんが、かなり頑張って重低音を出していることが分かります。
まずはこれに驚きました。


DENON SC-CX101の場合

一方、改めてSC-CX101で聞くと、ボーカルの張り出しが特徴になり、元気いっぱいで明るいけど、ドスドス成分はまず聞こえません。
アンプがYAMAHAのA-S501なので、もともと重低音は出さない(出せない?)スッキリタイプのアンプなので仕方ないのですが、それにしても音の存在がまるまる消えている。
いや、そこにリズム的な打撃音が存在する”痕跡”だけはかろうじて聞こえるようになっていますよ。ドスドスではなく、ボ、ボ、程度には聞こえます。
その昔、ONKYOのCR-D1で鳴らしていた頃は、このスピーカーからブーミーなほどの低音が再生されていたので、アンプによる再生域の差は案外大きいと感じます。

VICTOR SX-500Ⅱの場合

これを試しにSX-500Ⅱに切り替えてみると、多少低音部分が鳴るようになって、ドスドスではなく、ボン、ボンくらいは鳴ります。
が、あくまで音楽的なバランスの上での聞かせ方で、音圧が身体に感じられるほどではありません。密閉式なので、重低音といってもその程度なのです。
YAMAHAのアンプの特性も大きいと思いますが、まあそんなものでしょう。

暫定まとめ

敢えて試したわけではありませんが、偶然に手持ちのスピーカーの特徴が如実に現れた一例をご紹介しました。
重低音の部分は、ある意味いちばんわかりやすいので、聴き比べには適当な指標ですね。誰にでも聞き取れて、スピーカーやアンプの差が手にとるように分かります。
それにしても、SILVER RX1の低音の沈み込みと前へ出る音圧にはビックリしましたね。やっぱり歌謡曲向けではなく、映画やクラシックなどの、ある程度スケールの大きな音源向けという気がしました。


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