■ただ、PMA-390の初代はさすがに年数が経っていて、状態の良いタマがないですね。もともと安手なエントリー機種なので経年劣化にも弱いでしょうし。というところで躊躇していたところ、ハードオフでたまたま目についたのが、PIONEERのA-D5aというプリメインアンプでした。
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■正直聞いたことのない機種でしたが、1990年代後半にそれなりに何代か改良を重ねた機種らしく、しかも軽量でたった6.2kgしかない。しかも電源部にトロイダルトランスを抱いた構成で、MOSーFET採用とのこと。(MOS-FETの特性はあまり知らないのですが。)あまり有名な機種ではないので当然ながらお値段も実にお安くて、しかも完動品らしいので、試しに買ってみました。
■まずは、我が家の定番DENONのスピーカーCX101に繋いでみましたが、これ音質的にはなかなかの逸品じゃないでしょうか。TA-F333ESRではややもっさりしていたCX101が急にメリハリたっぷりで高音域が生き生きと伸びて、拡がる。CX101のツィーターは経年劣化でヘタっていると思っていたのですが、生き返ったかのような生々しさと鮮烈さ。見事にCX101が若返りました!
■以前にCX101にヤマハのA-S501を繋いだことがあって、このときはCX101の音色が急にハイ上りになって、腰高でスカスカで驚いた(笑った)ものですが、今回はあの経験にちょっと似ている。でも良い方向での驚きです。A-S501は中古とはいえ使用時間の浅いタマだったらしく、当初、低音の押し出しが弱すぎたのが原因だったのですが、今回のA-D5aはすでに十分使い込まれているので、低音部もしっかりと押し出しながら膨らまずに抑制的です。加えて高音部の精細さが特徴です。
■このバランスの良さは、なかなかの聴きもので、安価な軽量アンプなので正直もっとナローなおとなしい出音かと思ったのですが、かなり広い音場が広がります。メリハリは強めだと感じますが、不自然な誇張感はなくて、クラシックなんて実に自然に音色に聞こえます。ボーカルの輪郭もくっきりするし、すっかりTA-F333ESRの駆動力を凌駕してしまいました。A-S501もフラットで良いアンプですが、躍動感でも質感的にも超えている気がします。なんでこんなにいい音なんだろう?