☞☞『超特撮 vol.1 』発売中☜☜

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=目次=

  • 『超特撮』ってなに?
  • こんな方に読んでほしい!
  • これが本書の概要です!
  • いくらするの?ただで読めないの?
  • どうやって読めばいいの?
  • お得なコースとかないの?
  • Kindleリーダーが無いと読めないの?
  • 読者のみなさまにお願い!
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現代神秘サスペンス『もうひとつの世界』

阿刀田高の「恐怖同盟に」収録された「疣」が原作の1989年製作作品。関西テレビの『現代神秘サスペンス』枠で放映された。本放送を観ている気もするし、観ていないかもしれないし、すべては霞の世界に溶け込んでいる。なにしろ30年前のテレビドラマですよ。
■脚本:小森名津、音学:岩間南平、監督:井上昭で東宝の制作。コピー機メーカーの技術職から営業に異動となり悩む主人公は乗り過ごした最終電車を降りると、宿の客引きに誘われるまま、不思議な洋館風の宿に投宿するが、不思議な女が部屋に忍んで裸で寝床に滑り込む。しかも同じ姿かたちの女が二人いるようで、双子かと聞いても応えない...
古尾谷雅人中田喜子、芦川よしみ、三条美紀、山本亘佐原健二というなかなか豪華な一作で、舞台となる洋館風の宿をセットで作っているから大したものだ。いかにも阿刀田高らしい昭和風のエロティックで幻想的な小品。中田喜子が夜の生活に欲求不満な人妻を演じて、もちろんヌードはないけれど、肩から上をさらしたカットだけでも、みょうに柔らかそうで、十分にやらしいので満足です。中田喜子がこんな単純な脇役を演じることも珍しいので貴重かもしれない。芦川よしみよりも中田喜子のほうがどう見ても色っぽいと思うのだがなあ。浮気する必要ないよねえ。
■『もうひとつの世界』というタイトルはあまりにも大仰だけど、現実逃避の果てにもうひとりの自分と入れ替わってしまう魔訶不思議なお話。あまり新味のないお話だけど、原作では阿刀田先生のお馴染みの話術ですらすらとその気(?)にさせられるわけ。このドラマも意外と力作なので、今となっては貴重な作品という気がするなあ。

参考

確かに三十年以上前に読みました。今も本棚に鎮座している。

恐怖同盟 (新潮文庫)

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ひどいにも程があるSNSホラー『アンフレンデッド』

アンフレンデッド [Blu-ray]

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基本情報

Unfriended ☆
2015 ヴィスタサイズ 83分 @DVD

感想

■世界初(?)パソコンの画面上ですべてのドラマが展開する画期的なSNSホラー、という趣向に興味をそそられ、予告編でもそれなりに面白そうだったので、借りてみましたよ。そして後悔しましたよ、観たことを。
■とにかく、SNSでチャットや動画通信によってリアルタイムに進行する趣向は新機軸だけど、それだけの映画で、拳銃自殺した女子高生の属する高校生グループの中でどんないじめやチクリや不純な性行為があったのかを霊的存在が関与して炙り出すというお話だけど、もうその内容が酷い。現実のひどさをそのままドラマに組み込んだという考え方だろうが、映像スタイルの制約上いわゆる一般的なドラマになっておらず、単にエピソードが羅列されるだけなので、劇映画としてのカタルシスは生まれない。しかも当然ながら映像は汚いし、お金を払ってまで観るか、これ?というレベル。劇場でこれ観たら絶望して死ぬレベル。
■製作にはジェイソン・ブラムのブラムハウスが当たっているが、よくこの内容で納得したものだ。ブラムハウスの低予算ホラーは品質コントロールが固いというイメージがあったのだが、こんな製品(作品という気がしない)も混じっていたとは。しかも全世界で公開するとはいい度胸だな。

参考

ほんとにどれくらい酷いか、試してみてくださいよ。確実に時間をどぶに捨てることができますよ!

不思議サスペンス『知らない旅』

■1991年に放映された関西テレビの不思議サスペンスの一編。原作は阿刀田高で、『冷蔵庫より愛をこめて』に収録された同名短編と思われる。確実に読んでいるはずだが、ほとんど覚えていないぞ。脚本:水谷龍二、音楽:岩間南平、監督:日高武治という布陣。
■強く何かを望んだときに分身が現れる経験をしたという妻(増田恵子)の話を聞いた夫(三浦洋一)は愛人(一色彩子)とホテルで密会すると、廊下やラウンジで妻に似た人影を見かけてゾッとするが。。。というお話で、実は第二幕までがかなりよくできている。
■深夜のホテルを舞台としてサスペンスと恐怖を味わう男の心理描写がなかなかよく描けていて、ちゃんと定石通りに怖い映像になっている。ことに大久保鷹が演じるバーテンダーのちょっと浮いた存在感が抜群にうまくて舌を巻く。状況劇場唐十郎と組んで伝説の怪優と呼ばれただけのことはある。幻想なのか現実なのか、妻の影におびえる男は、実はホテルの一室でもう一つの怪異を経験することになる。
■浴室から水音がするだけで怖いという恐怖演出の冴え。薄暗い部屋に一色彩子の白い腕がすっと現れるだけで怪奇な情景を作る演出も秀逸。日高武治といえば『円盤戦争バンキッド』しか思い浮かばないのだけど、変に上手い人だなあ。そういえば本作も東宝の制作で本間英行がプロデュ―サーなのだ。
■ただ、第三幕は完全に蛇足に見えてしまうので、終わり良ければ全てよしといかないのが残念。非常に惜しいなあ。

参考

『冷蔵庫より愛をこめて』は阿刀田先生の初期の傑作短編集です。今読むと昭和テイストの物珍しさ(?)も付加されて、感興も増すことでしょう。さすがに大昔に読んだきりなので、大方忘れてる気がするが…

冷蔵庫より愛をこめて (講談社文庫 あ 4-1)

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今読むなら、これで阿刀田高の主要傑作群をほぼ網羅できるじゃないか。凄いな。携帯に便利なkindle版。紙がいい、紙が!バラで買うなら、こちら。
黒い回廊 (集英社文庫―阿刀田高傑作短編集 あ13-9)

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阿刀田高サスペンス「見えない窓」

阿刀田高の『東京25時』に収録された同名短編の関西テレビでのドラマ化。制作はG・カンパニー。1990年の作品です。
■脚本は鹿水晶子、監督はにっかつロマンポルノが終焉でテレビドラマに活躍の場を移した西村昭五郎。一種の透視能力を持った少年が入院した病院の過去や看護師の未来を透視したりするお話ですが、この少年は脇役で、担当する看護師と軽薄で浮気性のテレビディレクターとの人間関係がメイン。『東京25時』という短編集、あまり見かけた記憶がないので、原作小説も読んでいない。
■主演は懐かしのヒロイン相楽晴子で、非常に演技が初々しくて可愛くて仕方ない。その恋人で売れっ子テレビディレクターがそのまんま東。軽薄で誠実さのかけらもない色男役を器用にこなすからほんとに器用な人。脇役で芹明香土屋久美子、佐々木ふみ江、山咲千里が顔を見せるなぜか非常に豪華な配役だ。
■ただ、オオカミ少年の不思議な超能力の所以が何も触れられなくて、説明を省くためのギミックもなくて、普通に病院を退院して退場してしまいうので、相楽晴子のドラマのための便利な道具に使われているだけに見えてしまうから傑作とは言えないな。脚本構成上の問題だろう。西村昭五郎の演出は軽快で悪くないのだが。
■あとついでに、直木賞作家サスペンス『恋の残り』も観たけど、これは全くの凡作だったので、忘れることにしよう。原作はもちろん阿刀田高だが、あまりに平凡な着想だなあ。読んだ記憶もない。脚本:小森名津、監督:小谷承靖で、小川真由美天宮良甲斐智枝美、高沢順子が出演。小川真由美の芝居が臭くてかなり苦痛。

関連情報






丁寧だけど新味のない凡作『クワイエット・プレイス』

基本情報

A Quiet Place ★★★
2018 スコープサイズ 90分 @DVD

感想

■なんだかとても評判の良かった本作ですが、実のところ平凡なホラー映画で、続編の下心見え見えの決着も含めてあまり感心しない。出演もしているジョン・クラシンスキーの演出ぶりは悪くなくて、キャメラワークも非常に落ち着いているし、サスペンスを丁寧に構築しているあたりは良心的な仕事で、悪い気はしないのだが、端的に言って退屈。
■音を出すと謎の宇宙生物が襲ってくるというだけの単純な話だし、肝心の宇宙生物のデザインはいつものガッカリ系のモンスターで根本的な想像力に欠けるし、SF仕立てのホラー映画としてはとにかく斬新さに欠ける。ジョン・クラシンスキーって、ほんとはこのジャンルに愛がないのだろうと確信する。どうしたってシャマランの『サイン』を想い出すのだけど、あれくらいの発想の飛躍がないと面白みがないよね。発想が平凡すぎる。
■おまけにお話の肝になる長女の配役にも難があり、ミリセント・シモンズという女の子なんだけど、嘘でもいいからもう少し綺麗な女の子を見せてくれないとなあ。わざわざどこから探してきたのか謎なのだが、ちょっとびっくりする位可愛くないのだなあ。ほんとにびっくりしたんだけど。

参考

騙されたと思って観てみて。ほんとにびっくりするから。不細工で。

サスペンス・魔『鍋とエレベータ』

阿刀田高の同名小説が原作で、脚本:鹿水晶子 監督:山田大樹によるシリーズ「サスペンス・魔」の一編。制作は東映だけど、技術スタッフは技術協力の東通の人だろうか。
■低予算のビデオ撮影だけど、さすがにこの時代になると映像のルックが改善されている。ちゃんと黒が締まってきたぞ。
■別れを切り出された愛人(仙道敦子)がパトロン古尾谷雅人)に、3年前に前に住んでいた東京タワーが見える別のマンションで起こった事件を語り出す。深夜にきまって7階から4階に旅する女の存在に興味を持って探っていくと…
■これも原作小説は読んだ記憶がないんだけど、ドラマとしては完成度は高くて見ごたえあり。仙道敦子がちょっとした表情の変化で心理描写を表現してしまうし、古尾谷雅人の静かな受けの芝居に人柄の怖さがそくそくと醸し出されていて冷や冷やする。仙道の昔語りのエピソードがどう決着するか、時制が今に帰ってからのドラマの決着はどうなるのか、すべてがスムーズにテーマに集約されるラストは綺麗に決まる完成度の高い秀作。喜劇的なサスペンスかと思いきや、テーマは『陽のあたる場所』で、あくまでシリアス。東京タワーがシンボルとして使われている。
■ただ、このシリーズ全般に言えることだけど、ラストはもっと音楽をうまく使ってストンと腑に落とす仕掛けが必要だと感じる。『トワイライトゾーン』とか『ヒッチコック劇場』のあのイメージですよ。なんで真似しないのだろう。メリハリなしに、だらしなくエンディングの楽曲に移行するのは観ていて気持ちよくないのだけれど。

参考

同名原作は短編集『知らない劇場』に収録されています。読んでないはずはないと思うのだが、憶えていない…おかしいな。

知らない劇場 (文春文庫)

知らない劇場 (文春文庫)

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現代怪奇サスペンス「鏡の中の男」

■脚本:橋本綾、撮影:北坂清、美術:佐野義和、音楽:小川文明、監督:中島貞夫による現代怪奇サスペンスの一編。このシリーズ、ひたすら懐かしい。確か石井輝男が『蜘蛛』とか『怖い贈り物』とかの傑作を撮っていたよね。主演は市毛良枝前田吟、隆大介で、ロケセットをメインとした東映製作による低予算のビデオドラマ。原作は阿刀田高の「熱病」という短編。
■3人家族がみんな神社のはずれの奇妙なマンションの一室で不思議な体験をするという阿刀田高らしいファンタジックなお話ですが、なかなか端正にできていて良作。そのマンションで、小学生の息子は家で禁じられているファミコンに興じ、母はゆきずりの情事に耽りという幻想的な体験をし、きまって高熱を出すが、後日その場所を訪れてみるとマンションの影もなく…という「トワイライトゾーン」みたいなお話。
■マンションでの幻想的な情事はハレーション気味の白っぽい映像で、いかにも時代を感じさせるなあ。

参考

原作「熱病」は『マッチ箱の人生』に収録されていました。確かに読んだ気がする。いや確実に読んでる。

マッチ箱の人生 (講談社文庫)

マッチ箱の人生 (講談社文庫)

なんと角川ホラー文庫から出た自選傑作選にも採録されていますよ。

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