☞☞『超特撮 vol.1 』発売中☜☜

f:id:maricozy:20181111133840p:plain

=目次=

  • 『超特撮』ってなに?
  • こんな方に読んでほしい!
  • これが本書の概要です!
  • いくらするの?ただで読めないの?
  • どうやって読めばいいの?
  • お得なコースとかないの?
  • Kindleリーダーが無いと読めないの?
  • 読者のみなさまにお願い!
続きを読む

光州事件✖トラック野郎=『タクシー運転手 約束は海を越えて』

タクシー運転手 約束は海を越えて [Blu-ray]

タクシー運転手 約束は海を越えて [Blu-ray]

基本情報

택시운전사 ★★★☆
2017 スコープサイズ 137分 @DVD

感想

■1980年に起きた光州事件を取材して国外に報道した外国人記者の実話を素材とした韓国映画。軍が封鎖した光州で何が起こっているのか、それを知るためにドイツ人記者はタクシーをチャーターして軍が封鎖した光州に入るが、そこで目にしたものは、民主化を訴える市民デモ隊を虐殺し、テレビ局に火を放つ軍の暴挙だった…
■どこまでが史実に基づいたものなのかは知らないし、光州事件の真相についても特別な知識は無いのだけど、映画としては確かによくできている。娯楽映画として上出来だ。主人公はソン・ガンホ演じる金に困って家賃を滞納しているやもめのタクシー運転手で、民主化デモにも興味が無い男が、光州で起こった恐るべき軍の暴挙に対して激しい怒りに駆られてヒーローになってゆくプロセスが的確に描かれる。光州のタクシー運転手との交流と共闘には泣かされる。
■一人娘がソウルで待っているので早く帰りたいが、光州事件の実情を知ってしまった以上、光州の仲間たちを見捨てることもできない、揺れ動く心情を、さすがにソン・ガンホは巧みに演じるし、食べ物を使った演出もさすがにうまい。通りすがりの脇役のおにぎり娘の存在が泣かせる仕掛け。
■ではあるものの、その作劇の面白さはまるでトラック野郎そのままなので、やや白ける。というか、本来ならトラック野郎でこうした政治ネタを正面から扱えばよかったのにね。さすがに当時の東映もできなかったことを韓国映画は堂々と娯楽映画として臆面もなく見せ切ってしまうから羨ましい。でも、どう考えても東映映画を下敷きにした作劇のような気がするなあ。東映もこうしたタブーな政治的素材の娯楽映画化に対抗心を燃やしてほしいなあ。

モンガーだけど巨大化はしない(残念!)『ブラックパンサー』

基本情報

Black Panther ★★★
2018 スコープサイズ 134分 @DVD

感想

■マーベルシネマティックユニバースは、もうわかりませんわ。何作あるのかも敢えて知りたいとも思いません。ついていけません。でも、なんだか非常に評判がいいようなので、観てみたよ。意外に面白いけど、VFX満載のクライマックスの大乱闘などは、もう食傷気味で飽き飽き。むしろ、釜山の秘密クラブでの大暴れの場面の方が見どころが多い。大乱闘のアクションを無理やりワンカット風に見せるのは昨今の流行りだけど、かなりうまくいっていて、見ごたえがある。
■秘密の鉱石があるおかげで自国内は平和で発達した国家を維持しているアフリカの小国ワカンダの国王が伝説のブラックパンサーとして、言うこと聞かない悪党どもには鉄拳制裁も辞さないというヒーロー活劇。父王がテロで死に、息子の主人公が王座を継ぐが、キルモンガーと名乗る米国の元傭兵が異議を唱えて彼に挑戦する。
■このキルモンガーという若者の描き方がどうも腑に落ちなくて、クライマックスの対決も盛り上がらない(見せ場にCGが絡み過ぎるのもよろしくない)。出自には秘密があるので具体的には書けないが、ある事情があってアメリカのスラムで育ち、傭兵として世界の紛争地で非合法活動に暗躍する男という設定なのだが、それにしては若すぎないか?そうした世界情勢の裏側の醜さを知り尽くした暗さとか虚無感が全く感じられず、単にチャラい若者という印象なので、まるでドラマ的に盛り上がらないし、表出するテーマが際立たない。最期の場面でもアメリカと黒人奴隷の歴史を踏まえて良いセリフを言うんだけど、この人が言うと、全く深みが無い。。。名前がモンガーなんだから、最期は巨大化して見せるくらいの意気込みが必要だと感じるよね。
■ラストは最終的に国王になった主人公がある意味蓋もない話を国連で演説して終わるので、なんのことはない、演説映画だったのだ、これ。

特撮オタクのトラウマに塩を塗れ!本気度満点の『トクサツガガガ』

f:id:maricozy:20190327215833j:plain

特撮オタクのトラウマに塩を塗れ!

NHK名古屋制作で放映された漫画原作のドラマ『トクサツガガガ』は予想以上にエグイドラマだった。隠れ特撮オタクのOLを主人公とするアルアル小ネタ満載の、面白おかしい、それだけの軽いサブカルコメディなのかと思っていたのだけど、実は特撮オタクが抱える「トラウマ」の傷口に指を突っ込んでぐいぐいと粗塩をもみこみ、視聴者に”生き方”を問う、本気印のドラマだった。

あの大空に裸(?)で叫べ!好きなものは好き!

特に第4話「オタクノキモチ」は好きなものを好きと躊躇なく言うことができないオタクたちにとっては、生きること自体が試練であるこの世界で訪れた幸福な仲間との一瞬を切り取って感動的だったし、第5話「ウミノジカン」は女4人が冬枯れた浜辺で穴を掘って特撮写真の制作に興じる、文字通り「特撮」したエピソードで、その無為な時間の幸福感と終盤の過去の自分に「好きなものは何の躊躇なしに好きと言っていいんだよ」と時空を超えて語り掛けるエピソードは、迂闊にも泣かされた。

女子の最大の敵、それはおかあちゃん

ただ、第6話、第7話での最大の敵である母親との対決は少々腰砕けで、第6話で唐突に激高した両者が和食の店内で激しく罵倒しあう場面は、いかにも「ためにする」作劇に見えた。最終話の解決も、実際のところほとんど何も解決しておらず、明らかに続編製作に興味を繋ぐ作りに感じた。主人公のトラウマは特撮好きという志向を母親に強圧的に弾圧されたことによるもので、複雑に捩れがちな母娘関係がもうひとつのテーマだが、そこは十分に納得できる決着ではなかった。

みんないつの間にか、大人女子!

倉科カナとか木南晴夏って個人的には若手、新人カテゴリーに入ったままだったのですが、知らぬ間にすっかり大人になっててビックリ。まあ、知らぬ間に10年くらい経過してたわけだが。あと、武田玲奈って今回初めて認識したけど、一般女子代表のユキちゃん、脇役ながら可愛くて悶絶するね。そして主演の小芝風花は小柄で顔立ちがはっきりしているのでいろんな極端でコミカルな展開が映えるし、事実上この特殊な難しいドラマを支え切ったのだから、凄いよね。

参考

これが原作漫画ですよ。書店で見かけたときは、なんとも奇特な漫画があるものだと感心したものですが、評価も高いようですね。第21回手塚治虫文化賞マンガ大賞最終候補にも残ったそうです!

トクサツガガガ (1) (ビッグコミックス)

トクサツガガガ (1) (ビッグコミックス)

あまりにも空疎で、驚くほど退屈『レディ・プレイヤー1』

基本情報

Ready Player One ★
2018 スコープサイズ 140分 @DVD

感想

■確か昨年大いに話題になった本作、今更云々するのも周回遅れというものですが、それにしてもあまりにも退屈な映画なのでビックリした。そもそも、お話がダメでしょう。アイディアがあまりにも古臭くて、単純すぎるし、新鮮味がない。では、古臭くてもいかにも映画らしいお決まりの話術があるかといえば、これも無し。劇映画かとおもいきや、見せ場の大半はCG映像で、ほぼCGアニメ映画。そのCGアニメも物量は凄いものの、すでに10年前に見飽きた類のもので、ひたすら退屈。
■正直、映画で物語るにたるお話が存在しないし、物語の展開に捻りもなく、ひたすら冗長。CG映像でキングコングが出ます!AKIRAのバイクが出ます!アイアン・ジャイアントも出ます!終いにはメカゴジラも出ます!みんな大好きガンダムまでも!・・・これだけ破格のキャラクター総動員が全く劇的に盛り上がらない。。。そもそも、メカゴジラ登場で佐藤勝の音楽が鳴らないと意味ないじゃないか!!
■もう途中から眠くていつまで続くのかと嘆息した明らかな駄作。ほんとにあの『宇宙戦争』の天才スピルバーグが監督したのかね?

黒沢直輔の傑作『夢犯』を想い出したのは秘密だよ!『アトミック・ブロンド』

アトミック・ブロンド [Blu-ray]

アトミック・ブロンド [Blu-ray]

基本情報

Atomic Blonde ★★★
2017 スコープサイズ 115分 @DVD

感想

ベルリンの壁の崩壊寸前の東西ベルリン。暗躍する各国のスパイたちのなか、MI6の女スパイ・ロレーンは最高機密であるスパイリストをKGBから守るために東ベルリンに潜入するが、東ベルリンの責任者パーシヴァルが食わせ物で、誰が味方で誰が裏切り者なのか判然としないまま、東西冷戦は終焉に向かう...
■作品選びと作品に対する取り組みが異様に意欲的なシャーリーズ・セロンが製作も兼ねるだけあって、力作には違いない。原作はスパイ小説ではなく、グラフィックノベルというのも納得。狙いに狙ったいかにも80年代風の原色遣いとネオンが映えるビジュアルで魅了するスパイ活劇だが、お話自体はあまり優れたものではない。ベルリンの壁の崩壊を扱うならもっと面白いお話がいくらでもできそうなもので、どうしても作品の主眼は活劇の方に向かわざるをえない。
■その点は、監督のデヴィッド・リーチを呼んできたかいがあるし、セロンさんもガチガチのアクションがやりたくて仕方なかった模様。デヴィッド・リーチという人はアクション演出の編集に抑制が効いていて、アクションの流れが明瞭に理解できるように撮るので、活劇を観たという満足感が大きい。ことに、ワンカット長廻しの壮絶な殺しあいを室内と階段の立体的な空間を生かしたアクション演出で見せる場面は素直に凄い。ワンカットに見せるために実際は複数のショットを繋いでいるはずだが、カットの接続が非常に自然だし、いかにもワンカットで撮りましたよ、どうだ!という風な押しつけがましいキャメラワークになっていないのも好感が持てる。セロンさんの文字通り体当たり演技、というか文字通り活劇は型の綺麗さ狙いではないリアルな潰しあいを志向しているが、それでも衣装とモデル体型で、血みどろの殺戮戦もファッショナブル!痺れる!
■怪しい相方となるのがマカヴォイさんで、近年すっかりマッチョな危ない男を演じるのが定番ですが、ここでも好演。しかし、彼のドラマが十分に描かれないので、ラストの印象的な告白がいまいち感動的にならないなあ。残念。勿体ない。
トニー・スコットとかリドリー・スコットが撮ればもっとドラマ寄りで大人を堪能させる映画にもなっただろうと思われるが、とにかくセロンさんと彼女を盛り立てる敵役の男優さんたちの凄絶アクションを観るだけで感動するし確実にもとはとれる映画なので、これで良いのだ。
■むかし、むかし、近年はテレビドラマが主体の黒沢直輔がにっかつで撮った『夢犯』というハードボイルドなロマンポルノ映画があって、主演の赤坂麗がクールで魅力的だったし、石井隆ならではの哀切なラストがホントに忘れられない名作なわけですが、あれをちょっと思い出したなあ。映像のルックが似ているんだな。なにしろホントの80年代映画ですからね。夜の情景、ネオンの妖しい光、そして志水季里子とのレズシーン...

モニターオーディオSilver50を自信をもって推してみる!

■いやもう、プライベートにいろいろあって、自身の老いを感じ、生命力がガタ落ちしている昨今、気分を変えてオーディオ方面に話題を振ってみたい。
■モニターオーディオって、大型家電店にもそれなりに置いてあって売れているはずなのに、あまり評判を聞かない謎のメーカーって感じですが、世界的に展開する大きな会社で、もちろんのこと、モノは良いですよ。
■もはや一昨年のことですが、難波のビックカメラでモニターオーディオのスピーカーを切り替えて試聴したところ、新製品のSilver50が思いのほか良かったということを忘れないうちに、お伝えしたいと思います。
■もちろんSilver100とか、スケールが大きいし低音が豊富に出て、音場が広いわけですが、もっぱら古いジャズとか歌謡曲とかポップスを聴いているわたしの守備範囲からすると、むしろSilver50の方が音の焦点がギュッと絞られて、音の飛び出し方が勢いを増しているエネルギッシュな感じがあって、非常に良かったのですね。良質なブックシェルフ型スピーカーらしい快活で元気のよい鳴り方、それでいて低音部も引き締まって、個人的には非常に気に入りました。
■リアバスレフですが、セッティングが容易になるよう、背後の壁との距離を5センチまで寄せられるという新設計は素直にありがたいし、試聴した感じでもその効果は如実に感じられました。低音はちゃんと出ているが膨らまないし、ブーミーにならないという美点を実際に確認しました。そこのところ、重要なのでメーカーのHPから引用しておきますよ。

Sonic Design Improvements Speaker by New Silver Series

壁際へのセッティングを可能にするMonitor Audioの新しいチャレンジが始まります。
メーカーがどれだけ良いスピーカーを開発しても、その開発が一般家庭とかけ離れた環境で行われていては、ユーザーが良いサウンドを楽しむことは難しくなります。どのキャビネット構造を採用するかは最初の難問です。密閉型はキャビネット内部で発生する空気の動きを逃がす事ができません。またフロントバスレフ型は、ポートから放たれる気流がスピーカーから出る音自体と同じ方向を向いてしまいます。そしてリアバスレフ型の最大の欠点は壁との距離が低域に影響しやすいことです。どのタイプでも一長一短が存在するのです。リアバスレフ型がバランス良く鳴らせるかはユーザーのセッティングに委ねられていたのです。この弱点の克服にチャレンジしたのが新しいSilver50とSilver200です。

Silver50とSilver200は通常に使ってももちろんNEW Silverらしいサウンドが楽しめますが、加えて壁際5cmまで近づけてセッティングしても高域と低域のバランスが崩れにくい特殊な設計を施しました。その秘密は特別に改良されたHiVeⅡポートと内部ブレーシング構造。そして130mmのNEW RSTドライバーです。従来のSilverより縦横共に20mmスリム化したキャビネットサイズもポイントとなっています。同様のサイズで設計されたセンタースピーカーC150もご用意しました。

もう壁との距離でセッティングを悩むことはありません。生活環境に寄り添うスピーカー、Silver50、Silver200をぜひお試しください。

■ちなみに、Silver200はSilver50の兄貴分のコンパクトなトールボーイ型ですね。これも気になるなあ。
■モニターオーディオにはRadius90という超小型のスピーカーもあって、非常に小気味いい鳴り方をするし、驚きのスケール感を演出する優れモノなので、店頭で試聴して、これで何でもいけるんじゃないの?と感心したものですが、Silver50も新しい逸品の登場だと思いますよ。ボーカルメインで、まったりというよりもエネルギッシュ志向の小型ブックシェルフ好きの方には自信をもってお薦めできる名機じゃないでしょうか。素直に欲しいです!
■こんどはどこかでSilver50とRadius90の聞き比べをしてみたいものですなあ。(Silver50に軍配が上がるだろうと思ってますが!)

モニターオーディオ スピーカー Radius Series 90 [ブラック ペア]

モニターオーディオ スピーカー Radius Series 90 [ブラック ペア]

maricozy.hatenablog.jp

噂通りの快作?否、怪作『バニー・レークは行方不明』

バニー・レークは行方不明 [DVD]

バニー・レークは行方不明 [DVD]

基本情報

Bunny Lake Is Missing ★★★
1965 スコープサイズ 107分 @APV

感想

■イギリスに引っ越してきた女の娘バニー・レークが幼稚園で行方を消すが、誰も見たものがないという。女の兄が精力的に探索するが、娘の実在に疑惑の目が向けられる。娘は女の妄想だったのか?
■という実に魅力的なプロットを持った映画で、所謂ニューロティックサスペンスにも分類されるだろう。監督はオットー・プレミンジャーで、幼女行方不明事件の謎を捜査する刑事がローレンス・オリヴィエという豪華な布陣。ヒロインのキャロル・リンレーはちょっとトウが立っているが精神的に危い感じが板についているし、後半の精神病院からの脱出などの逆転劇も非常に痛快で良いのだ。
■しかし、本作の肝はその兄であるケア・デュリアが儲け役でしょう。詳しくは書けないけど、終盤は独り舞台ですよ。ただ、その終盤の展開がかなり微妙なので、傑作にはなり損ねているのが勿体ない。心理的なサスペンスも、後半の逆転劇もうまくいっているのに、クライマックスの作劇と演出が腰砕けに終わっている。確かに、演出的に難しいシチュエーションではあるが、オットー・プレミンジャーは真面目過ぎたかもしれない。
■なんとアマゾン・プライムビデオに入っていたので、念願かなって観ることができたのでした。でも、クライマックスの辺りは、原作小説で読む方がすんなり腑に落ちるかもしれないなあ。

バニー・レークは行方不明 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

バニー・レークは行方不明 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)