さすらいのオーディオ試聴旅!2023年の幕開けは、ローエンド対決!ポークオーディオ ES10✕DENONのSC-M41

■さすらいのオーディオ試聴旅、といいながらちっともさすらっていませんが、今回ははじめてエディオン京都四条河原町店に行ってきました。四条河原町阪急の撤退後にエディオンが入ったことは知っていたのですが、ピュアオーディオコーナーがあることは先日まで知りませんでした。たまたま調べてみたら、ピュアオーディオコーナーと明記してあるので、驚きました。他のエディオン店舗にもあるのでしょうか。

■しかし、行ってみるとピュアオーディオコーナーは閑散としており、誰もいません。それは好都合なんですが、機器の切り替えは定員さんを呼ばないとできないシステムのようで、勝手に機材を触れません。だから誰もいないわけで、もったいない限りです。アキュフェーズとかマッキントッシュのプリメインアンプが置いてあって、ヨダレが出たのですが。聴きたかったなあ。

■でもその近くにミニコンポコーナーがあり、これが意外と充実していたので、そちらをメインに試聴しました。今回は特にポークオーディオのコンパクトなスピーカーが展示してあったので、これを中心に聴きましたよ。なにしろ珍しいので。

■レシーバーアンプはデノンの売れ筋、ローエンド機といってもいいと思いますが、RCD-M41でした。これに純正のスピーカーであるSC-M41とポークオーディオのELITE ES10が繋がっていたので、ジャズボーカルとポップスを聴きましたけど、個性の違いが明瞭でした。

■SC-M41はいかにもデノンらしい音作りが確固たる個性が確認できました。音域は低音よりで、明らかに暖かな音で、エッジを丸めた表現ですね。聴き心地が良くて、音の広がりは狭いけど、まとまりがいい感じ。高音が出ていないわけではないけど、伸びないし、耳に刺さらない。音素の輪郭はボンヤリしているので、若干籠もった音と感じるかもしれない。

■一方、ES10は明らかに低音粋がタイトです。低音域が広がらず、引き締まって、早い印象です。SC-M41の12㌢に比べて、ウーファーは10㌢ですからね。一方で広域は伸びと広がりがあるけど、耳に刺さるほどではない。いわゆるウォームな音調ではないけど、寒色という風でもない。音素は分離しているが、音場は狭い。

■という感じで、正直なところ非常に安いSC-M41って優秀だなあと感じました。さすがに老舗の音作りなので、ローエンドでもこれだけ納得感のある品質なんだと感心しました。もちろん、至近距離での試聴なので、そこは割り引く必要があります。音調は、今も愛用しているCX101に非常に似ていると感じました。価格はかなり違うのですけどね。

■一方、比較のために隣のB&Wの607を聴いてみると、やはり特徴がはっきりしますね。レシーバーはマランツのM-CR612なので、組み合わせとしては高音域に特徴があり、広域が伸びるし広がるし、分離感と立体感が際立ちます。その違いは誰の耳のも明白でしょう。

■これに比べるとSC-M41は音が団子になっていて、音場の広がりも感じられません。でも音のまとまり感が好印象です。ポークオーディオのES10は、高音の伸びで似ている感じがしますが、音の分離や音場の立体感は希薄です。以前に聴いたES15は声の太さが特徴だと思いましたが、ES10ではそうでもなかったですね。ウーファーのサイズが違うので当然かも知れません。

■という感じで、結局どう感じたかといえば、B&Wのスピーカーを使ってみたいなあというのが結論です。マランツのアンプと組み合わせると明らかに高音域が作為的に聞こえるし、キツイのですが、ヤマハのアンプだとどうだろうと興味がつきません。相性がいい気がするのですがね。

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