幻の映画

吉永小百合版『あゝ野麦峠』製作中止事件とは何だったのか(3/3)

あえて大胆な仮説を! 仮説その1:資金繰り説 仮説その2:さる筋からの圧力説 仮説その3:吉永(父)の意に染まなかった説 事件の総括 参考 maricozy.hatenablog.jp maricozy.hatenablog.jp (承前) あえて大胆な仮説を! ■前の記事で、繊維労連とか全農…

吉永小百合版『あゝ野麦峠』製作中止事件とは何だったのか(2/3)

■幻に終わった吉永小百合主演の映画『あゝ野麦峠』の製作中止事件の背景を探る記事の第二弾です。第一弾は以下の通り以前に記事にしたところです。 maricozy.hatenablog.jp■今回は、八木保太郎の書いた脚本(初稿)が読めたので、その概要を紹介しましょう。…

絶海の孤島で児童虐待の奴隷労働?「舵子事件」を描いた『怒りの孤島』は当時どんな反響を呼んだのか?水木洋子と佐藤忠男の場合

■水木洋子が瀬戸内海の孤島で起こった児童虐待「舵子事件」を描いた久松静児監督の『怒りの孤島』は現在幻の映画になっています。製作会社の日映が弱小プロダクションですぐに解消してしまい、権利関係やネガフィルムの行方が不明になっているからです。すで…

急告!絶海の孤島で児童虐待の奴隷労働?「舵子事件」を描いた幻の映画『怒りの孤島』について追加記事を出します

■先日国会図書館のIDをもらったので、いろんな資料が自宅で参照できるようになりました。戦後の混乱期に発覚してスキャンダルな社会問題化した「舵子事件」を描いた幻の映画『怒りの孤島』については、当ブログでも記事を出していますが、映画公開当時の反響…

吉永小百合版『あゝ野麦峠』製作中止事件とは何だったのか(1/3)

【最終更新:2023/6/29】 はじめに:映画企画はいかにして挫折するのか 小百合版『あゝ野麦峠』製作中止事件とは何か 時系列で読む事件の経緯 参考 はじめに:映画企画はいかにして挫折するのか ■みなさんは『あゝ野麦峠』という映画をご存知のことでしょう…

邦画界にクーデター勃発!「日映事件」とは何だったのか?

はじめに 日映事件とは その発端は 三宮失踪事件 日映のその後について 歌舞伎座プロについても少しだけ 日映、夢のあと 参考資料 参考 はじめに ■このページにたどり着かれた方は、ほとんどが舵子事件を映画化した『怒りの孤島』のページから来られた方だろ…

【死ぬまでに観たいこの一本】記憶の中に遠く煌めく、あの永遠の夏!『パーマネントブルー 真夏の恋』

■その昔、エアコンも付いていない真夏の熱帯夜に、14インチのモノクロTVで、深夜の邦画劇場で放送されたこの映画を悶々としながら観たという記憶。でもそれすら既に怪しくて、朝方に放送されていた奥様邦画劇場で、ちゃんとカラー放送で観たような気もする…

【死ぬまでに観たいこの一本】『ヤングパワー・シリーズ 大学番外地』

出典:https://www.kadokawa-pictures.jp/official/42509/■70年安保に向かって68年ころにピークを迎える全共闘を中心とする学生運動については様々な評価がありますが、既成左翼への幻滅から新左翼が生まれ、いわゆるノンセクト・ラジカルが全共闘として…

特撮研究②:吉永小百合の幻の映画と仮面ライダー誕生の意外な関係とは!?

はじめに 日本(映画界)沈没? 幻の小百合版『野麦峠』とは何か? 仮面ライダーはどこで産まれたのか? 小百合と仮面ライダーを繋ぐミッシング・リンク 内田吐夢という補助線 急告! 参考資料 はじめに ■みなさんは、吉永小百合と初代仮面ライダー誕生の意…

そこは、瀬戸内海の地獄?「舵子事件」を水木洋子が激烈告発する『怒りの孤島』とはどんな映画だったのか?

『怒りの孤島』とはどんな映画か この映画の何が問題になったのか? 「舵子事件」とは何か? 「舵子事件」に関するさまざまな評判と反響 『怒りの孤島』を製作した日映という会社 それでもなんとか観たいのよ! 追加情報① 追加情報② 参考文献 『怒りの孤島』…

八住利雄の未映画化シナリオ「東京裁判」

東宝8・15シリーズで、1970年の堀川弘通監督の異色作「激動の昭和史 軍閥」の次に製作準備が進められた「東京裁判」は、大ベテラン八住利雄が脚本を書き、監督は小林正樹が起用される予定だった。ところが、どう考えても外人俳優を多数そろえる必要がある…

未映画化シナリオ「東京大空襲」

「シナリオ」誌に掲載された、東宝8・15シリーズ用に用意されながら没になった、廣澤榮、安藤日出男合作の脚本「東京大空襲」(早乙女勝元の岩波新書「東京大空襲」より)を読んだ。まさに渾身の一作といった感じの、戦争を経験した世代が戦争に対する生…

これも8・15シリーズか?

今日購入した古い「シナリオ」誌のバックナンバー欄を眺めていると、70年3月「戦艦武蔵」(井手雅人)とか70年8月「硫黄島」(菊島隆三、直井欽哉)などは東宝の企画でもおかしくない感じで、8・15シリーズ企画の没シナリオを掲載したっぽい雰囲気…

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