横山秀夫特別企画「永遠の時効」★★★

横山秀夫原作のテレビ化ということでもしやと思って録画したのだが、ドンピシャで、榎戸耕史の演出作だった。脚本は窪田信介。F県警強行犯シリーズの新作で、TBSでやってたやつをテレビ東京で継続しているわけだ。配役は変更され、全体に若返っているが、第2班の楠見班長人非人ぶりは健在で、今回もクライマックスをさらってしまう。前シリーズでは段田安則が演じたのだが、今回の光石研も意外と悪くない。これぞ「外道捜査」という卑劣な手口で事件の真相を炙り出す。今回は意外に単調に推移するのかと思いきや、クライマックスのお話の捻り具合も快調で、正直配役もお話も地味だが、最後まで観るとちゃんと骨太なカタルシスがあるからさすがの榎戸演出。
■主演の中村俊介はまだまだアクが足りない未熟なキャラだが、田中哲司光石研といった曲者が周りを固め、旧シリーズでは橋爪功寺田農という濃いメンツが演じた上司も矢島健一伊武雅刀といった新配役で、今後シリーズの進行に伴って、きっと濃いエキスを醸し出すことが期待できる。配役的には小粒な感じでの仕切り直しだが、この制作チームはやっぱり信頼できる。
早く次のやつを見せてくれ!


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