トレイン・ミッション ★★★

The Commuter
2018 スコープサイズ 105分
イオンシネマ京都桂川

■お馴染みのコレット=セラとリーアム・ニーソンのコンビによるサスペンス活劇。まあ、たいして意外なことは起こらないけど、間違いなく面白いアクション映画。今回は通勤電車が舞台というミニマムなスケール感ながら、クライマックスには大規模な脱線事故まで見せる。

■謎の女からある乗客を見つけ出せば大金を渡すという怪しい申し出を受けたばかりに、さんざんな目に合う60歳男子の災難劇。しかし、ただの初老の男ではなく、元警官だからなめんなよ!とリーアム・ニーソンがあたふたしながら仕組まれた罠に立ち向かう。

■正直、通勤電車の乗客たちの抱えるドラマがもっと簡潔に上手く描きこまれたら傑作になったかもしれないが、そのあたりは今回の脚本はちょっと怪しい。正直、第1幕のあたりはちょっと退屈。乗客が最後尾の列車に絞り込まれたあたりからやっと図にのってくる。でも、このあたりの塩梅はコレット=セラの計算かもしれない。その後に、電車転覆の大スペクタクルを見せておいて、真のドラマ上のクライマックスはその後に配置される。このあたりの呼吸はやっぱりうまい。最期の最後にやりたかったことがわかる。今回はそれがやりたかったのね、コレット=セラ。

■事件の真相は単純なものだけど、そこは配役の面白さでカバーしている。配役の妙だけでなんとなく納得してしまうから、気が利いている。『死霊館』のファンはとにかく必見ですよ。

■とにかく、ヴェラ・ファーミガ、最高、パトリック・ウィルソン、最高。正直、リーアム・ニーソンの演技としてはマンネリ気味だけど、脇役の配役の妙で、押し切った感がある。


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