横山秀夫サスペンス 真相 ★★★☆

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横山秀夫サスペンス 真相
2005 ヴィスタサイズ ?分
BS-TBS録画
原作■横山秀夫 脚本■加藤正人 撮影■山本博俊 照明■鈴木真二 監督■榎戸耕史

■真夏のミステリードラマ特集。脚本が加藤正人で、監督が榎戸耕史というそそるメンツなので、ちょっと期待して観たのだが、期待に違わぬなかなかの秀作。コブラピクチャーズとTBSの製作で相変わらず低予算、劇伴は既成曲(無名の作曲家の劇伴がストックされているのだろうか)の流用という安っぽいドラマなのだが、原作の短編小説がよかったのか、スタッフの筋がいいのか、ミステリーとかサスペンスというよりも正統派のホームドラマになっている。一方で素性の悪そうな新聞記者にマスコミが息子と遺族の名誉を傷つけていると指摘する主人公に、被害者遺族を振りまわすのは如何なものかと反論させてみたり、なかなか重層的な視点で社会的なトピックが扱われているところも好感が持てる。この場面では、主人公の抗議より明らかに記者の言い分のほうが筋が通っているのだが、両者の思いはすれ違ったまま終わる。記者役のデヴィッド伊東の荒んだ雰囲気とともに妙にリアルだ。
■10年前に息子が殺された遺族一家を中心に、真犯人が逮捕されたことから、亡くなった長男の死の真相とその意外な言動が明らかになり、遺族に激しい動揺が走る様を(多分)年配の視聴者に配慮してゆったりと物語る。さらに、下町の税務事務所を舞台に、三代にわたる父子関係を織り込むという綿密な脚本。このあたりは原作にあるのだろうか、脚本のオリジナルだろうか。
■主演の小林稔侍の演技はどうも近年ワンパターンで、最適な配役とは思えないが、妻役の中田喜子は相変わらず巧い。こうしたベテラン女優にもっと映画で活躍してほしいのだが。

真相 (双葉文庫)

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