64 前編・後編 ★★★

64-ロクヨン-前編
64
2016 スコープサイズ 121分 119分
AMP
原作■横山秀夫 脚本■久松真一瀬々敬久
撮影■斉藤幸一 美術■磯見俊裕
照明■豊見山明長 音楽■村松崇継
VFXスーパーバイザー■立石勝
監督■瀬々敬久

横山秀夫の小説「64」はすでにNHKでもドラマ化されていて、さすがによくできていたので、映画化はどうするのかと思いきや、横山ドラマの元締めコブラピクチャーズが原作者から原作改変の了解を取り付けて、後編の後半をオリジナル展開としたのだね。しかし、オリジナル部分は正直あまり上手くない。真犯人の二人の娘の出し入れの手際が悪い、というか同じような誘拐が何度も繰り返されるのは観ていて疑問にしか感じない。
■しかも、クライマックスは佐藤浩市と真犯人の二人が素手で殴り合う決着という、どんだけアメリカ映画好きなのかという展開で、これも謎しか感じない。横山秀夫ドラマから一番遠いところにいる気がするよ。瀬々敬久の世評の高いピンク映画たちは全く未見なのでよくわからないけど、どうなんでしょうか瀬々敬久
■64を踏襲した誘拐事件発生で修羅場となるマラソン記者発表の場面も、明らかにNHKドラマ版の方が秀逸で、原作のリアリティとエグ味を生かしていたよなあ。まあ、先にドラマ版を観てしまったせいということはあるにしても、映画版では妙に大きな講堂を設定してしまって、演出的に使いきれていない憾みがあった。対してNHK版はもっとこじんまりとしていて、それが異様に張り詰めてよどんだ空気感を感じさせたが、映画版はコミカルに振り過ぎたように感じた。
■製作は、TBSテレビ、東宝電通ほか、制作はコブラピクチャーズ。文化庁文化振興費補助金の助成を受けた!(なんども言ってるけど、こんなメジャー大作に助成金は不要!)

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