ディープ・インパクト ★★★★

Deep Impact
1998 スコープサイズ 120分
APV

ディープ・インパクト [DVD]
■なんとアマゾンプライムビデオでHD画質で観ることができた。何故かブルーレイも発売されず、高画質で観ることはできないのかと思いきや、ちゃんとHDリマスター版が存在するわけですね。当然といえば当然だけど、ホントにうれしいなあ。ピカピカの高画質で、感動もひとしおですよ。

■この映画は何回も観てるけど、やっぱり傑作。辞任した財務大臣の不倫疑惑から大彗星の地球接近へとツイストする序盤の工夫がやっぱり秀逸。こういう持って回った導入はこうしたジャンル映画においては非常に楽しい。大彗星爆破計画が失敗して大小二つの彗星に分裂するというアイディアも凄い。小彗星は地球に激突するが、大彗星は爆破チームの自己犠牲的突入により爆破されて、地球は壊滅を免れるという展開もよく考えた。すっかり忘れていたけど、本作のクライマックスは小彗星激突による巨大津波ではなく、大彗星への突入作戦なのだった。壊滅的天変地異のスペクタクルは必要最小限で、VFXではなくあくまでドラマでクライマックスを構成するという挑戦的な演出を見事に成功させている。ミミ・レダーはほんとにいい仕事をしている。

■実際、配役のトップはロバート・デュバルなので、メサイア号の決断をクライマックスに持ってくるのは当然なんだが、家族との最後の別れの場面などもありきたりな愁嘆場にならずに、素直に感動的。最期に明かされる(というかたぶん編集でカットされたのだろう)女性操縦士の家族構成とか、それだけでもう泣けてくる。小さな子供を旦那に託して淡々と激突コースに誘導する肝っ玉母さんのプロ魂と男っぷりに感動する。それをミミ・レダーはあくまでさらりと描く。このキャラクターにはきっと自分の生き方を重ねているのだろう。

イライジャ・ウッドリリー・ソビエスキーのエピソードも妙に感動的で何回観ても泣かされる。あんな状況で再会することは単純にはありえないので、ご都合主義には違いないのだが、心情的には必然だから劇としては成り立つわけだな。彼らは助かったけど、その両親たちはシェルターで助かったり、巨大津波に呑まれたり、明暗を分けたわけだね。妙に感慨深いなあ。

© 1998-2024 まり☆こうじ