これ4K?ABEMAで観る『ガメラ 大怪獣空中決戦』

基本情報

ガメラ 大怪獣空中決戦 ★★★☆
1995 ヴィスタサイズ 96分 @ABEMA
脚本:伊藤和典 撮影:戸澤潤一 照明: 吉角荘介 美術:及川一 音楽:大谷幸 特技監督樋口真嗣 監督:金子修介

感想

■もちろん劇場で封切り時に観てますけど、大ヒットはしていないし、劇場の熱気も平成ゴジラシリーズの初日風景に比べると寂しいものでしたよ。今回はたまたまABEMAで見放題だったので、なんとなく観始めたら、ぜんぶ観ちゃいました。何年ぶりだろう。(そういえば2年前に観てたね!)

■これ多分4Kリマスターじゃないでしょうか。非常に綺麗ですね。大型液晶テレビで観るとぴったり。色調も劇場で観たあの雰囲気だし、当然解像度も高くて、精密。ギャオスの皮膚感の生々しさとか、クライマックスのオープン撮影のミニチュアセットの精細さも引き立つ。白昼場面のオープン撮影も画期的だったけど、ナイトシーンの照明設計の丁寧さも印象的で、姫神島の洞窟とかガメラの上陸するコンビナート付近とか、キーとなる光や小さな明かりに気を配って、リアリティを追求している。こうしたところはスクリーンで観ないと厳しいのだが、リマスターはなかなか上出来で、液晶テレビでも結構表現できている。

■これかなりの情報量を詰め込んだ濃い脚本だし、とにかく展開が早いのが特徴。両怪獣の福岡ドームでの遭遇まで30分ほどなんだね。だから移動環礁探索も姫神島探検も気持ちよくサクサク進むし、それがサスペンスを生んでいる。このテンポの気持ちよさがこの映画の美点なので、編集担当の腕が良かったんだね。中盤の木曽山中の見せ場への繋がりは作劇上ちょっと無理があって、大分端折った感があるけど、まあ強引に繋げてますよ。そして、この場面がないと子どもが登場しないから大事なところ。

■ラストの石油コンビナートのシーンは明らかに『ゴジラ対メカゴジラ』の中盤の名シーンを再現していて、合成カットも似ているし、ナパーム大爆破の引き画もそっくり。でもオリジナルの『ゴジラ対メカゴジラ』はナイトシーンで全部ステージで撮っているからどうかしてる。予算がないからミニチュアセットも最低限だけど、手前のセットプールの波立ちと炎の反映が最高の効果を発揮して奇跡的な名シーンになった。

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