「小さき勇者たち−ガメラ− DTSメモリアル・エディション1965-2006 特典ディスク(2)」

  • データベース「徹底検証!G file」

 雨宮教授がおくる昭和、平成ガメラシリーズの秘密に迫る徹底検証講座。日本映画衛星放送で一度だけ放映された特番「ガメラ40倍講座」のコンプリート版。

  • ドキュメント「プロジェクトG〜ガメラに魅せられた男たち〜」

 「昭和、平成からのガメラを創り上げた男たちの勇気と感動と執念のドキュメント」という触れ込みののインタビュー集。
 なんと昭和シリーズを一貫して手掛けた永田秀雅元大映プロデューサーが元気に登場し、昭和ガメラに対する熱い想いを語る。湯浅憲明が物故してしまったので、代打で登場ということだろうが、決してお仕着せの仕事ではなかったらしい雰囲気が伝わってくる。仕事が速くて、皆まで説明するまでもなく自分の意を汲んで脚本を仕上げてくれるので高橋二三を重用したことを明かす。特殊技術の築地米三郎まで登場し、これまた至って元気そうなので、話の内容よりも、そのことだけで有り難い気がする。

 IMAGICAご自慢のDIシステムの紹介を中心に、新旧特撮技術を解説するコーナーで、IMAGICAが東洋現像所時代に手掛けた昭和ガメラに使用されたオプチカル・プリンターエリアル・イメージ撮影機が紹介される。
 DIシステムとはいったい何をするシステムなのかが簡潔に説明される。要は撮影フィルムを全部スキャンしてデジタルデータに変換した後に、劇場の条件に近いプロジェクターで確認しながらカラーコレクションなどの画調の調整ができる仕掛けらしい。
 なにより実際のカットを使用して、画面をマスク(もちろん移動マスクだ)で分割して、人物に合わせて明るさを調整すると白く飛んでしまう背景の空の表情を、背景だけ少し暗く調整することで浮かび上がらせるデモンストレーションに感心した。コンピュータが自動で移動マスクを生成して、画面の一部分だけ、明るさや色調を変化させることが簡単にできてしまうのだ。おそらく、これまでのフィルム撮影であれば、例外的にデン・フィルム・エフェクトあたりの高度な技術を持つ専門家に頼んで、相当時間とコストをかけて行っていた内容だろう。それが、このシステムを使用すれば映画全編に亘って、自在に映像を操作することができるのだから、キャメラマンの腕が凄いのか、DI技術が凄いのか、われわれ一般観客は判断がつかなくなるだろう。木村大作も「憑神」で全面的に導入するらしいが、いったいその成果はどう顕れてくるのか。

  • VFX PV「合成大魔王〜視覚効果 合成255カットの記録〜」
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