間違いなく大谷幸の代表作!『ガメラ2レギオン襲来』

基本情報

ガメラ2レギオン襲来 ★★★☆
1996 ヴィスタサイズ 99分 @アマプラ
脚本:伊藤和典 撮影:戸澤潤一 照明:吉角荘介 美術:及川一 音楽:大谷幸 特技監督樋口真嗣 監督:金子修介

感想

■もう何回観てるか記憶してないけど、ついつい観てしまいました。なにしろ『ブレードランナー2049』とか『ジュラシック・ワールド 新たなる希望』とかひたすらだらだら冗長な大作映画をたてつづけに観たので、口直しが必要だったのです。なんといってもテンポの良さとちゃんとサスペンスが機能した編集の気持ちよさを堪能しました。いやあ、日本映画凄いじゃん!

■美術装置のスケールとか質感は東宝にかなわないけど、札幌の大規模ロケとかリアルなロケセットとか、非常に頑張ってますよね。札幌地下鉄のシーンなど、美術セットがあまりに小さすぎてアングルが限定されて可愛そうですけどね。(これが東宝なら。。。)

■それに、大谷幸の音楽(劇伴)が最高に素晴らしい。ジェリー・ゴールドスミス風味なのは愛嬌として、改めて聞くと傑作ですよね。でも監督はハンズ・ジマーの『クリムゾン・タイド』を観るするように指示したらしいですよ!平成ガメラ後の東宝の『大怪獣総攻撃』はなぜかシンセサイザー感丸出しで、大作なのに妙に安っぽかったので、余計に平成ガメラの楽曲は貴重ですね。

■4Kリマスターじゃないけど、十分に高画質で、東宝の平成VSシリーズとかミレニアムシリーズのリマスターがなぜかうまくいかないのに比べて、見事なリマスターだと感じる。当時映画館で観た印象と大きく異ならない。本作も映画館で観たときは比較的空いてましたけどね。

■何回も言ってる気がするけど、最大の欠点は最後のガメラの腹からなにかをぶっ放すシーンですね。そこまでSFとして頑張って日常崩壊のサスペンスを理詰めで堪能させたのに、最後はなんだか分からないエネルギーで解決って、肩透かしだと当時も思ったし、今見ても納得はできない。ガメラって単なる道具?ガメラに対する愛がないと感じたのは昭和ガメラ世代共通の感慨だろう。でも、金子修介凄いなあと素直に感心しました。後続のハリウッド映画にも確実に影響を与えているからね。

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