悪魔、怪獣なんでも来い!ヴェラ・ファーミガ が地球を更地にする!『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

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基本情報

Godzilla: King of the Monsters ★★★
2019 スコープサイズ 132分 @Tジョイ京都(SC7)

感想

■映画館に出かけるもの何カ月ぶりだろう。前に映画館で観た映画がなんだったか、すでに忘れてしまった。でも、劇場でかかる予告編がほとんど見覚えのあるものばかりだったぞ。

■さて、お話は詳しく書けないけど、いろいろあって、お馴染みの東宝怪獣たちが大復活、特にモンスター・ゼロことキングギドラは地球怪獣ではない「偽の怪獣王」だから、「真の怪獣王」ゴジラにお仕置きしてもらわないと、人間たちは絶滅だよ!という豪快な怪獣活劇。お話のディテールは『三大怪獣地球最大の決戦』『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』に平成VSシリーズ、平成ガメラ、『大怪獣総攻撃』のテイストまで入って、とにかく勢いでグイグイ押す映画だ。怪獣たちの格闘を真正面から描く。そこが前作ギャレス版『ゴジラ』との大きな違い。マイケル・ドハティの演出は衒いがない。

■とはいえ、全てCGで描かれるうえ、主担当がILMなので、お馴染みのアニメ的な動きが滑らかではあるものの、実在感に乏しい。実際、モスラのCG表現など全く良くなくて、『東京SOS』のモスラの方がよほど美しいし、職人技の凄さを感じさせる。ゆえに怪獣プロレスといっても、見せ方の限度があり、そこを追求してもあまり面白くならないだろうというのがギャレス・エドワーズの嗜好、判断であって、その考え方は実に怪獣映画の基本に忠実であったことがよくわかる。怪獣映画は怪獣が現れるまでのサスペンスが一番おいしいところなのだ。

■といった具合で実は怪獣よりも人間ドラマの方がいろいろと面白かったりする。特に実質的に主演といっても過言ではないのがわれら怪奇ロマン派のミューズヴェラ・ファーミガ演じるモナークの科学者で、中盤の犯行動機を吐露する場面は見ごたえがある。難を言えば、中盤以降泣きが多くて、めそめそしすぎで演技的に幅がないのだが、まあこの盛りだくさんの趣向では仕方ないか。役どころとしては完全にウルトラマンアグルこと藤宮博也ですね。死霊館』のファンは必見ですぞ。顔見世程度かと思いきや、本作のいちばんの儲け役です。

■いっぽうで渡辺謙のエピソードも随分雑だし、サリー・ホーキンスの使いすってぷりも、まあ勿体ないこと。そして、遂に米軍が実戦展開するオキシジェン・デストロイヤーの扱いの雑なこと。終盤はもう開いた口が塞がらない感じのやりたい放題。遂には『ライオンキング』まで援用されて、もうなんでもありですね。。。個人的には趣味じゃありませんが。でも古関裕而モスラの楽曲が堂々と使用されているのは素直に良かったなあ。エンディングでもじっくり聞けるし、それだけで映画館で観たかいがあるというもの。

参考

いやあ、ギャレゴジは味があるなあ。特にホノルル国際空港に至る怒涛の展開のサスペンスはなんど見直しても見事。


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