劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン
2016 ヴィスタサイズ 79分
DVD
脚本■中野貴雄、小林雄次、小林弘利
撮影監督■高橋創 美術■木場太郎
照明■武山弘道 音楽■小西貴雄
視覚効果■三輪智章 VFXコーディネーター■豊直康
監督■田口清隆
■とにかく低予算ですから、ほんとにテレビ版の3本分くらいの予算で映画を作ってますね。スタッフもテレビ版と同じで、テレビシリーズと一緒に製作するというのは東映スタイルを踏襲したものだ。東映の特撮番組の劇場版も初期はそれなりに予算をかけていたが、その後はテレビ版に毛が生えた程度の予算で製作され、しかし、それがヒットしてしまったので、そうした製作スタイルがすっかり定着してしまった。おかげで、特撮映画の製作費はダダ下がりで、映画的なルックの追求も完全に廃れてしまった。
■さて、本作も田口清隆の演出はテンションMAXで悪くなはいけど、特撮場面の長回しは凝っているのはわかるものの、何の意味があるのか?と訝しいし、とにかく川北特撮の再来と見違えるような重々しいアクション場面が展開される。円谷プロ特撮のアクションはもっと機敏だったはずだが、どうもリズム感がゆっくりしている。初代ウルトラマンやティガの活躍はほのぼのと楽しいのだが、それ以上に斬新な特撮が観られるわけではなく、う〜ん、映画ならではのクオリティには乏しいし、テレビと同レベルというところ。ドラマ的に見どころがあるかといえば、これも辛い。吉本多香美はいいとして(いいのか?)、マイケル富岡の寒々しさは一体なんだろう。これに比べれば『ウルトラマンサーガ』は傑作だったよなあ。いや、比べるまでもなく傑作か。