ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟
2006 ヴィスタサイズ 93分
DVD
脚本■長谷川圭一
撮影■高橋 創 照明■高野和男
美術監督■大澤哲三 美術デザイナー■稲付正人
音楽■佐橋俊彦 CGI監督■板野一郎
監督&特技監督■小中和哉
ウルトラマンシリーズ生誕40周年記念映画で、歴代主演者、黒部進、森次晃嗣、団次朗、高峰圭二が勢ぞろい*1して祝祭的な演出を盛り上げてくれるのかと思いきや、制作規模の小ささが画面の隅々から透けて見えるあまりにも安っぽい映像の連続で、円谷プロの名が泣くトホホ映画。
「ULTRAMAN」がハリウッドで流行の大人向けのアメコミ映画路線を狙ってアダルトな作風で興行的に失敗したため、今回は小中和哉御得意のジュブナイル路線に回帰、「ウルトラマンディガ&ウルトラマンダイナ ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」に似た子供向けの平易な物語とし、長谷川圭一が脚本を書いたわけだが、神戸に限定した舞台設定、巨大超獣の封印、ラストに登場するさらに巨大なラスボスと、全く創意工夫の感じられない(やる気の感じられない)投げやりな作劇には、呆れるのを通り越して怒りすら感じる。
肝心の特撮についても、見せ場はCGI中心で、板野一郎が独自のめまぐるしい空中戦を演出して、その意味ではかつてのウルトラシリーズには無かった斬新なアクションが創出されてはいるものの、あまりにもアニメ的すぎる、というかアニメそのものといった質感が興を殺ぐし、かといってミニチュア特撮にこだわりがあるかといえば、こちらは明らかにテレビ特撮レベルで、ほとんど見るべき部分が無い。ミニチュア特撮のバリエーションの乏しさに、舞台を神戸に限定した憾みがもっとも現われている。特技監督は絶対に菊地雄一を据えるべきだった。