駿台予備校講師、吠える!福井紳一の『今起きていることの本当の意味がわかる 戦後日本史』

駿台予備校の先生の講義をベースにした、2015年(もう10年前か!)の戦後史本です。昔の予備校講師って、新左翼学生運動に関与して一般社会からはみ出した人の受け皿というイメージがあって、本書もまさにそのものズバリ。なので、明らかに偏向してます!でも、そこが読みどころ。駿台予備校の見解ではないことを明言してます。当然だけど!

■でも非常に面白いので、好事家にはオススメです。まずだいいちに、読みやすく、分かりやすいです。そこはさすがに予備校の先生です。それでいて要点は漏れなく網羅されているし、特に文化面では同時代人としての実感(と怨念)がこもっていて、特に迫真感がありますよ。日本の戦後史を概観するには、効率的だと思います。

■東久邇首相の「一億総懺悔」は、迷惑をかけた諸外国とか、犠牲になった多くの国民に対して行う意味と思ってたけど、1億の国民が力不足で戦争に負けてすんません!と昭和天皇に対して懺悔する意味だ、とか!?え、そうなの?確かに、そこは考えたことがなかったなあ。驚愕だ。

■特攻隊崩れとして出てくる安藤昇はわかる(?)として、斎藤龍鳳なんて、古参の映画ファン意外に誰が知る?山本義隆とか桐山襲とか谷川雁とか、さすがに知らんよ。というか、表の歴史(正史)にはふつう出てこないよね。でもそこが、一般の研究者では書けない、書かない、同時代の生活実感に即した肝の部分。加藤泰の『沓掛時次郎 遊侠一匹』の主題歌が出てきますからね、そんな歴史書ないですよ!

■戦後文化的にゴジラは当然として、森崎東が登場するのは、さすがに時代だよなあ。これも普通出てこない。当時の評価の高さだよなあ。実際、映画は面白いけどね。そうそう、新しいところでは上戸彩の名も出ますよ。李香蘭を演じたから!

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