アウターリミッツS1「悪夢」「人食い雲」「二次元の世界へ」

「悪夢」"Nightmare"

ヘボン星へ向かう宇宙船の搭乗員が彼らの捕虜となり、ミサイル軌道を吐けと尋問を受けるが、誰かが漏らしたらしい。それは誰なのか?だが、実は裏があり、。。

■脚本がジョセフ・ステファーノなので、例によって分かったような分からない話で、捕虜たちが疑心暗鬼になるあたりは見せ場だけど、極端に低予算でセットがショボいし、撮影もコンラッド・ホールじゃないのでキツイ。

■配役は豪華で、ジェームズ・シゲタ(この頃よく出てるね)とか、マーチン・シーンとか立派なもの。特にジェームズ・シゲタの何か含んだような、何考えてるか腹の底がしれない感じとか、さすがにニュアンスの演技が上手いんだなあ。周りの白人キャストの演技がオーバーアクトに見える。実際そうなんだけど。。。

「人喰い雲」“It Crawled Out of the Woodwork”

■ナルコ研究所に就職した兄と喧嘩した弟は、兄が浴槽に落ちて感電死するさまを目撃する。兄は腹部に謎の装置を付けていた。殺人を疑う刑事は研究所で捜査中に炉心から現れた謎のエネルギー体に襲撃される。。。

■これもストーリーテリングが怪奇映画タッチになっているのが味わいで、謎の研究所に向かうのが、恋人とかじゃなくて、弟なのが珍しい。ただ、兄弟の設定が十分に生かされていないけど。

■なにしろ、研究所の所長は謎のエネルギー生命体を発見して、これを悪用するために、研究所の職員員をすべて殺したうえで、蘇生装置で操っているという、凄い設定。そっちの装置だけで世界を転覆できるのでは?という気がするが、謎のエネルギー生命体は、その正体も解明されず、もといた部屋に戻っただけで、ドラマは終わってしまう。もといた場所へ帰っていったので、もう出現しませんよということだろうけど。

■とりあえず、一区切りついたし、言いたいことは言ったから、ドラマを終えるのは、意外といい塩梅かもしれない。作劇としては中途半端な気もするけど、宙ぶらりんのまま終わるのも、悪くないな。

■これも一目瞭然でコンラッド・ホールの撮影で、単調なセットに複雑な陰をたくさん作って、質感をコントロールする。異様に歪んだ画角も多用して、世界中のジャンル映画のフォロワーに多大な影響を残した(はず)。そこのところ、再評価が必要な気がする。

「二次元の世界へ」“The Borderland”

■二次元の世界を覗く実験のために、富豪が協力して傘下の発電所の出力を用意するが、一つ注文があった。二次元の世界で、死んだ息子を探してくれという願いだった。。。

■これもなかなか理解が追いつかないお話で、二次元の世界を垣間見るとはどういうことか、なんで二次元の世界が霊界と認識されているのか。大富豪は息子の霊を呼ぶために霊媒師を呼んでいて、これが実験にも干渉するが。。。

■お話は単純で、ほとんどが大掛かりな実験室の中で、実験が繰り返される。ベタ明かりで素朴なドアップを撮っているから、当然撮影はコンラッド・ホールではなくて、ジョン・M・ニコラウスですね。でも、ケネス・ピーチほどドキュメンタル志向ではないようだ。

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