Hail, Caesar!
2016 ヴィスタサイズ 106分
DVD
■１９５０年代のハリウッド、超大作史劇『ヘイル、シーザー！』の主演男優が姿を消す。スタジオのトラブルバスター、エディが彼の行方を追うが・・・
■コーエン兄弟の凝ったコメディ映画。劇中映画『ヘイル、シーザー！』は明らかに『聖衣』を下敷きにしており、『聖衣』は大好きなので、かなり楽しい映画ではある。ただ、エディの職業がよくわからないというのは、引っかかるポイントだ。プロデューサーにも見えるけど、裏社会にも通じているらしく、暴力も駆使する強面ぶりで、撮影所の製作部長といったところだろうか。むしろ製作主任か？
■史劇の再現にも力がこもっているし、ミュージカル場面の構成も本格的だし、豪華絢爛な娯楽映画でもある。個人的には終盤の潜水艦の場面が最高に楽しい。名匠ロジャー・ディーキンスが６０年代のスパイ映画みたいなセット撮影と特撮で見せる見事な見せ場。チャニング・テイタムも見事にハマっている。
■しかし、本作で一番の儲け役はアルデン・エーレンライクだろう。この兄ちゃんの突き抜けたバカっぷりと好人物ぶりは本作の白眉で、チャニング・テイタムとある意味かぶるキャラクターだけに、監督としてもこれでもかと突っ込んだ肉付けを行い、おかげで本作の顔になってしまった。チャニング・テイタムも案外出番が多くて大活躍なんだけどね。
