■舞台は1作目と同様のテレビ局の舞台裏に戻って、「報道9」の今夜の番組をどうするという話になっている。政治ジャーナリスㇳの植松は政権に日和って、完全に体制べったりだけど、記者時代の後輩だった桜木(このシリーズのみえない中心、ジャーナリズムの失われた良心)の最期の思いにうたれて、今夜の「報道9」の特集「新政権の四ヶ月を振り返る」で、現政権をふっとばす、学術アカデミー任命拒否事件に関する衝撃的なスクープを提示することを決意する。ところが番組の開始直前、過労気味のADのミスで思わぬアクシデントが発生し。。。
■このシリーズは全作読んだけど、最終作の本作は、ある意味で一番いいかもしれない。まっさらな状態から戯曲を読んで、するすると頭に入るし、植松を演じる佐藤B作(!)の演技までもなんとなく脳内に展開される。ドラマとしての深みや綾はないけれど、しっかりとカタルシスはあるし、戦後の占領時代に日本新聞協会が出した「編集権声明」の罪深さも、改めて再認識させられる。ハリウッド映画なら、ファイナルカットの権限は製作者=Pが持つけど、日本の報道では、ものが報道なのに、他の先進国と異なりハリウッド同様に経営陣が持つという事実は、素朴に知りませんでした。ネタがネタだけに、再演はないだろうけど、舞台録画観たいなあ。
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