ジャックとジル ★★★

JACK AND JILL
2012 ヴィスタサイズ 91分
MOVIX京都(SC7)

■お馴染み、アダム・サンドラー主演の奇人変人コメディの最新作だが、本国ではワーストワンに選ばれたりして、評判はあまり良くないらしいが、なんのことはない、いつものアダムちゃん映画なので、安心して楽しめる水準作。

アダム・サンドラーが演じるジルという主人公の妹が、見た目も言動も汚いというのがこの映画が嫌われる理由だろうが、実際非常に見苦しい。しかも、この迷惑な小汚いおばさんが、何かで改心するのかといえば、そうではなく、世間的な成功に固執する凡人たる主人公こそが変革を遂げるという作劇は、いつものアダム・サンドラー映画ならではの一貫したポリシーだ。奇人変人は何も変わる必要がないのである。

■今回の映画の売りは、奇人変人グループに、アル・パチーノが実名で登場することで、期待に違わぬ怪演を見せ、ラストにはあんなことまでやってしまう、大サービス。往年のアル・パチーノの映画に親しんだ観客にはたまらない自己パロディのオンパレードで、結構お腹一杯。十分楽しいコメディ映画だよ。

■実は今回一番気になったのは、上映プリントの字幕が何故か明朝体なこと。しかも、字体が大きいし、単語を強調する「○」がまた異様に巨大なこと。文字の配置も微妙に違和感があるし、どうもこの字幕の焼きこみは日本で行っていないのではないか。

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