All About Steve
2009 ヴィスタサイズ 99分
DVD
■クロスワードパズル作家で変人のメアリーが、見合いの相手にほれ込んで職場まで押しかけて追い回すという変人コメディ。メアリーは特殊な記憶能力を持っているが普通の人間生活が送れない変人として描かれるが、これをサンドラ・ブロックが怪演する。しかも、製作まで兼ねているから、彼女は本気です。本国では失笑された本作だが、コメディ映画としてはちゃんと笑える映画で、いくつかの場面では素直に大爆笑することができるから、それで十分じゃないのかなあ。
■確かに脚本と監督のセンスは微妙で、全面的に支持はできないのだが、本来40過ぎのベテラン女優がやるような役じゃない変人役を好き好んで演じあげ、しかも気色悪くなく、チャーミングに見えるというのはサンドラ・ブロックにしかできない芸当だ。サンドラ・ブロックおなじみの変なダンスシーンは、確か無かったが、両手をバタつかせる例の仕草(幼児に特有のあれですよ)は全開で、まあこれも40過ぎのベテラン女優が演技設計することではないが、可笑しいし楽しいからいいよ。
■三本足の赤ちゃんという中盤の設定があまりに機微な感じなので本国でも忌避されたのではと思われるし、日本でも劇場公開は憚られるのもわからないではないが、映画のテーマ自体はアダム・サンドラーの変人映画と同様で実に正しい。
■トーマス・ヘイデン・チャーチがサンドラと同格くらいの立場なのだが、この人もちゃんと笑わせてくれるので楽しいよ。ただ、終幕の廃坑に転落するエピソードが締まらないので、映画の構成的に損をしている。もっとサンドラ・ブロックが映える趣向を考案しないといけないところだ。まあ、本人が製作を兼ねているから、本人も粘りが足りなかったかもしれないが。