JUST GO WITH IT
2011 ヴィスタサイズ 116分
DVD
■アダム・サンドラーのジェニファー・アニストン共演による、『サボテンの花』という昔の映画のリメイク作だが、何故か日本では劇場公開されなかった恋愛コメディ。しかし、決して不出来な映画ではなく、ニヤニヤしながらまったりと楽しめるシチュエーション・コメディである。正直なところかなり良い出来だと思う。
■結構捻った話で、一言では説明しづらいのだが、映画を観る限りは全く何の混乱も無くすらすらと進行する。それだけでかなりの話術であるはずだが、アダム・サンドラー映画の座付き監督である(?)デニス・デューガンは過小評価されている気がする。
■本作の目玉は、ジェニファー・アニストンの昔の同級生で天敵といえる嫌味な女を二コール・キッドマンが演じていることで、しかもアダム・サンドラー映画おなじみの下品なギャグを嬉々として披露してみせる。正直、正統派美人女優のイメージが崩壊しかねない、かなりのものなのだが、フラダンス対決の場面では確実に爆笑を呼ぶ。いやあ、これは映画館で観たかったよね。何故公開しない?
■アメリカ映画らしい下品なギャグは事欠かないが、恋愛映画としてもよく出来ていて、しかも確実に大人向け。ジェニファー・アニストンの演じる子持ちシングルの生活感を感じさせるリアルなトウの立ちかたがポイントで、仕事上の上司として接していたはずのアダム・サンドラーに対する恋愛感情を意識してゆく様子がちゃんと説得力を持って描かれる。そこにニコール・キッドマンが触媒として関わることになるので、彼女は完全に脇役で憎まれ役なのだ。ホントによく出演したよなあ。