ビッグ・ダディ ★★★

BIG DADDY
1999 ヴィスタサイズ 93分
DVD

 気ままなバイト生活を続ける主人公の青年は、愛想を尽かして出ていった彼女を振り向かせるため、突然現れたルームメイトの隠し子を引き取ってしまう・・・

 アダム・サンドラーが小さな子役(実は双子!)と組んで、大人になりきれない大人が、子供を育てることで、やっと大人に近づくというお約束の物語を紡ぎだす。

 クライマックスが法廷に持ち込まれるので一瞬危惧したが、あくまでコメディ映画として、調子の良すぎる急展開を小気味いい笑いで後押しし、観客を乗せて押し切るうまい演出だ。当然、少しほろりとさせるシーンも用意されているが、変な唄が長々とかかったりせず、回想もあっさりと調理されて、アダム・サンドラーの映画らしい端正な切れ味を見せてくれる。法廷シーンでの主人公と父親のやり取りなど、茶番劇とはわかっていながら、通俗劇の上等な語り口に乗せられてしまう。

 普通のハリウッド映画なら、この素材で堂々と2時間を超える映画に仕立ててくるだろうが、実質85分程度にタイトにまとめ上げるアダム・サンドラーとその仲間内スタッフは、本当に趣味がいい。ただ、エピローグの場面は蛇足ではないか。あれでは、アダム・サンドラーが成り上がりの嫌な奴に見えてしまうのではないか。

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