The Conjuring 2
2016 スコープサイズ 133分
MOVIX京都
■心霊研究家のウォーレン夫妻シリーズの第二弾。なんとアミティビル事件から始まり、ロンドンで発生したエンフィールド事件に移行するという贅沢な構成で、おかげで2時間を超える結構な大作になっている。まあ、長くなったのは心霊現象場面をたっぷりと描いたためでもある。正直、少々長すぎる場面もある。
■物語としてもラストのツイストの部分が弱く、心霊事件の背後関係も単純だし、ウォーレン夫妻が登場する以上、あれしかありえないわけで、意外性は皆無なので、ドラマ手法的にもう少し工夫が必要だったと思う。そのあたりが、前作に比べると少々弱く、前作を超えたという印象は無い。
■しかし、本シリーズの眼目である夫婦映画としての側面は強化されていて、心霊現象にことよせて夫婦ののろけ話を聞かされることになる。しかし、その部分が非常に優れていて、この映画の面白さの半分以上はそこにある。抑えた演技で敢えて地味な存在感を狙うヴェラ・ファーミガはやはりいいし、パトリック・ウィルソンは今回プレスリーの歌真似まで披露して、ますます好漢度アップ。
■監督のジェームズ・ワンという人は以前からホラーの人ではないと思っているけど、やはりそうで、ポルターガイスト現象の描写がいちいち小気味良く、切れが良い。完全に活劇の呼吸。それでいて、情感描写にも力が入っていて、ウォーレン夫婦ととり憑かれた家族との交流が丁寧に描かれる。このシリーズの成功の鍵はその情感描写の上手さによる。
■ここまできたらウォーレン夫妻シリーズとしてまだまだいけそう。この夫婦の馴れ初めのエピソードなど絶対観てみたいし、離婚の危機に陥りながら、心霊事件を通じて元の鞘に収まるとか、いくらでもエピソードが作れそう。まあ、基本的に実録シリーズだから勝手には作れないけど。