アナベル 死霊館の人形 ★★★

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Annabelle
2014 スコープサイズ 98分
BR

■『死霊館』に登場した悪魔に汚染されたアナベル人形の成り立ちを解き明かしたスピンオフ映画。『死霊館』人気を窺わせる好企画。でも、ウォーレン夫妻は全く登場しませんよ。そこは一瞬でも出したほうが単純に楽しいと思うぞ。ちょっと残念だ。
■60年代後半を舞台として、アナベル人形が呪われる経緯を描いた部分が特に秀逸で、マンソンファミリーのような悪魔崇拝カルトの存在に結びつけたところに説得力がある。しかも、監督はジョン・レオネッティで、もともと撮影監督なので、多分、実質的には撮影監督兼任だろう。もっとB級テイストの映画をイメージしていたが、低予算ながら映像的には非常に重厚で秀麗というのがさすが。
■序幕の惨劇の演出が特に素晴らしく、基本的にはこけおどしのショックシーンが目玉なのだが、隣家で発生する事件が自宅に飛び火してくる展開を長廻しで捉えた部分は、この映画の白眉といえる名演出で、ここは素直に唸るできばえ。
■中盤は幽霊+悪魔という凶悪コンビの引き起こす怪異の描写が、引き続き冴えて、こけおどしにしても見たことのない趣向が凝らされるし、個々のカット尻に不気味な余韻を残す演出、編集もJホラーからよく学んでいるし、上出来の部類。
■しかし、問題は終盤30分の回収の仕方が甘く、ツイストが効いていない点であろう。エヴリンといういかにも訳ありげな黒人女性が肝になり、終盤に怪奇映画らしい綾をもたらすのだが、解決に絡ませるにしても、心理的に無理があり、納得しにくい展開だ。この終盤の構築が甘いため凡作感が残ってしまうのだが、演出的には丁寧だし、切れも良いし、レベルは高いよ。