ふたりはプリキュア?オカルト夫婦善哉、堂々の完結『死霊館 最後の儀式』(ネタバレあり)

基本情報

The Conjuring: Last Rites ★★★☆
2025 スコープサイズ 135分 @イオンシネマ京都桂川

感想

■1964年の娘の誕生から、1986年のウォーレン夫妻最後の事件に一気に飛ぶ、シリーズ完結編。アバンタイトルの娘の誕生まででひと泣かせする憎い構成。監督はおなじみのマイケル・チャベスだけど、もう恐怖演出とか最初から期待していないし、ドラマが意外と丁寧に撮られていて、感心しました。

■しかも、夫婦の物語と、娘と許婚の物語と、ペンシルバニアの呪われた家族スマール一家の物語の3本柱なので、現場での怪異の描写に使える時間が限られる。そのため、一発芸的なえげつなく「汚い」見せ場で、爪痕を残そうとする。このシリーズはこれまで避けていたはずだけど、最後だからやっちゃえ!というか、それくらいしないとペンシルバニアの場面が薄くなるからとことんやったれ!という判断だろう。それにしても汚いけどね。。。

■歳も歳だし現役引退だなあ、そもそも旦那は心臓に爆弾抱えてるし、娘の結婚も間近なようだし、とホクホクしていたら、ペンシルバニアでえげつない悪魔憑き事件が発生して大事件になり、恩人の神父まで犠牲になるし、娘のほうが先に現地に飛んでしまうし、困っている人たちを助けてあげてと娘に説得されれば、夫婦はこれが最期と再起動するしか無い。お約束のその場面に向けて、念入りに段取りが踏まれて、サスペンスを醸成するし、ロレインが呪われた家に立ち向かう場面は、待ってました、大統領!と声がかかる(はず)。つまり、活劇としての構成も万全なのだ。

■もともと本シリーズは病妻ものの変形だったけど、前作からは旦那のほうが心臓病で弱ってきたので、妻は逆にすっかり元気になった。まあ、現実にあることで、旦那のほうが先に死ぬわけで、確かにどこかで逆転が生じるわけだなあ。とリアルに納得しました。そこも実録テイスト?

■基本的に怪異描写はありきたりで、ウォーレン家の家族劇の方に重点が置かれていて、成功の要因になっているけど、クライマックスでは呪物の悪魔の鏡がついに物理的に大暴れするから、びっくり痛快。まさかそんな、ウルトラマンの怪獣みたいな大暴れとはね!困ったときには、回しとけ!という特撮現場の職人(高野宏一?)の天の声が聞こえたような、聞こえなかったような。

■男二人が魔鏡の猛攻に力まかせで特攻するのに対して、ロレインと、娘は彼らだけの持つ霊力で悪魔に対抗する。物理力の応酬で劣勢に立つとき、母は、娘に何を語るのか?自分の霊力を継承して、見える子ちゃんだった娘の苦しみと困惑に対して、彼らは見なければ存在しない、見てはだめ!そう教えてきたはずの母が、最後の土壇場で娘に何を教えるのか??まあ、このエピソードがちゃんと成立しているだけで、他の物足りない要素は気にならなくなるよね。感涙のクライマックス。そう、ふたりはプリキュア!なのだ(?)


© 1998-2024 まり☆こうじ