これは実話です!『世にも不思議な物語』 Vol.1

■これ観たのは一昨年になりますが、記録するのを忘れていたので、今更ながら備忘のため。今となってはあまり知られていないマイナーなテレビドラマだけど、実はかなりしっかり作られている。

■『トワイライトゾーン』とか『アウターリミッツ』はドラマとしては基本的にフィクションだけど、本シリーズは実録を標榜している。実際に起こった心霊現象や怪奇現象や不思議な出来事をそのまま再現しましたというのが基本線。なので、ドラマとしての起承転結に拘らないエピソードが少なくない。とはいいながら、実によくできた傑作も少なくなく、忘れられてしまうのは実にもったいない。

■ほとんどのエピソードをホスト役のジョン・ニューランドが演出しているのもユニーク。彼の名義を使って、実際はほかの人が監督しているのじゃないかと疑っているのだけど、真相は不明。

■特別に凝った撮影や、目を引く特撮や、わざとらしく怖がらせようとする奇抜な演出などは一切無くて、普通の家庭劇のような撮り方で、淡々と、さらっと心霊現象を描いたりするのが本シリーズのユニークなところで、今見ると逆に斬新に見える。怪奇劇を作るのに、特別なギミックは必要ないことがよくわかる。そこに実在する様をありのまま切り取れば十分不思議で怖いドラマになるのだ。

  • 「超常現象」(#73 Where Are They?)誰かが空から石を降らせる街と水をガソリンに変える謎の男の、まさに不思議としか言いようのない実話ネタで、ほんとに頭がクラクラするぞ。
  • 「降霊現象」(#14 The Secret)普通の50年代モノクロ映画風の流麗な演出で心霊的現象をさらりと描く。でもあまりにさり気ないので結構ビックリする。非常にいいセンス。
  • 「幻視現象」(#10 The Vision)これまた傑作で、所謂「モンスの天使」事件が元ネタ?でも、ドラマとしての構成にも妙味があり、妙に感動する。戦場に出現した謎の光は敵味方の戦意を喪失させ、兵士は敵前逃亡の軍法会議で裁きを受けるが・・・改めて傑作。

参考

「モンスの天使」事件の真相については、以下に詳しいです。やっぱり、アーサー・マッケンの創作が現実の超常現象として流布されたものなんでしょうね。
www.nazotoki.com
こちらのブログが第1巻の物語を要約してくれてます。大変助かります。
plaza.rakuten.co.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

© 1998-2024 まり☆こうじ