そのころ、英国ではヒロシマ、ナガサキの惨状は知られていなかった?『戦慄の七日間』

戦慄の七日間(字幕版)

戦慄の七日間(字幕版)

  • バリー・ジョーンズ
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基本情報

Seven Days to Noon ★★★
1950 ヴィスタサイズ 92分 @アマプラ

感想

■新型の核兵器UR12爆弾を開発した科学者は、良心の呵責から、首相に同爆弾の製造を中止しなければ、ロンドンで爆発させると脅迫する。。。

■新型核兵器を開発したものの、その使用は悲惨なものになると予見した科学者が新型爆弾を持ち出して、世界平和のためにその実証実験をロンドンで見せてやると言い出す、サスペンス映画。政府はこれを受けて、犯人の捜索を始めるが、期限は1週間後に迫り、ロンドン市民の疎開を開始する。

■というスペクタクルなサスペンス映画なんだけど、妙に鄙びたユーモアを挿入するところが英国流で、犯人の科学者は元売れっ子の舞台女優と行動をともにすることになる。なんで?

■1950年の映画なので、英国ではまだヒロシマナガサキの惨状が、政府首脳は別として一般には紹介されていない時期らしく、核兵器の使用がいかなる結果をもたらすかを、国民も政府も認識していないから、ロンドンでそれを実証してみせるという狂気に似た正義感をテーマとしている。アイディアとしては悪くないけど、あまりじりじりとしたサスペンスにならないし、そもそもヒロシマナガサキを見れば分かるでしょ?という話なので、基本的に間が抜けている。ロンドン市民の協力を得て、大モブシーンが撮影されたが、鄙びたユーモアと食い合わせが悪い。

■ちなみに、配信原盤はスタンダードサイズをヴィスタサイズにトリミングしたものらしい。構図がおかしなことになっている。


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