■2012年にTBS日曜劇場で放映された『運命の人』は、なかなかの力作で、”沖縄問題”に注目するきっかけになったドラマでした。といっても、すでに12年前の話ですね。ビックリです。干支が一廻りしてますよ!
■本来は「沖縄基地密約」が実在した!というスクープ報道事件のはずだったのに、その情報の入手経路に関して不適切な(?)男女関係があったため、取材手法の問題にすり替えられてしまい、矮小化されてしまった「外務省機密漏洩事件」を描いた、意欲作ですね。
maricozy.hatenablog.jp■当時のツイッターには感想を投稿していたのですが、ブログには記事がなかったので、この際、サルベージしておきます。先日『連続ドラマW FENCE』を観たので、こちらも取り上げないとバランスが取れない(?)気がしたのです。TBSディレクターの土井裕泰に注目したのもこの頃ですね。すでに業界では大家だったようですが。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
■沖縄の基地問題しかも密約問題を扱うので今も昔も政治的に機微な題材ですが、すでに米国では公文書の機密解除がなされていて密約の存在も確定していた。けど、日本政府(自民党)だけは頑なに存在を否認していた状態だったので、政権交代した民主党政権下で密約問題が調査されていた時期。鳩山内閣が主張した普天間基地の「最低でも県外移設」の方針が、2010年に対米従属体制に潰されたあとのこと。
■当時はまだ第2次安倍(独裁)政権の前で、いうても歴史的に枯れた昔の話だし、文豪山崎豊子の文芸小説のドラマ化という免罪符(?)が通用したので、成立した企画でしょう。なかなかええタイミングの企画でしたね。最近WOWOWで『連続ドラマW FENCE』が製作できたのも、政治状況が許したという面があるでしょうね。
■ちなみに全10話だけど、初回は30分拡大、最終回は54分拡大という、かなりの意欲作ですが、視聴率は伸びなかったらしく、ほとんど忘れられたドラマですね。脚本:橋本裕志、音楽:佐藤直紀、演出:土井裕泰、吉田健という面々。
2012年01月19日(木)3 tweets
1月19日
「運命の人」は、今後、メロドラマの部分をちゃんと心理劇として描いてくれるのか、若干心配がある。政治劇としての面白さは、配役の楽しさで保証された感じだが、男女の心理劇の部分は脚本と演出によるからなあ。
1月19日
「運命の人」は、外務省の女事務官を真木よう子が演じて、外見とアンマッチな低い声が凄くセクチィ。さらに、その夫が原田泰造で、これは役者冥利に尽きる演じがいのある儲け役(のはず)。
1月19日
「運命の人」第1話を観た。わりと面白い。田中角栄を不破万作が演っているので笑った。今後、本田博太郎先生もご出演なさるようで、期待が一気に高まった!
2012年01月20日(金)1 tweet
1月20日
まり☆こうじ@mari_koji
「運命の人」に足りないのは、70年代テイストだ。昭和懐旧路線の幻の60年代と同じに見えてしまう。もっとエロ(真木よう子に期待)とバイオレンスを。そして、揉み上げとネクタイは極太に。
2012年01月23日(月)2 tweets
1月23日
「運命の人」第2話は社会党の横道議員が密約文書の存在を予算委で暴露してしまうまでを描く。クライマックスは、ドラマとしては最高の見せ場で、取り返しのつかないことをやっちまった感が最高潮に達する。政治劇と不倫劇の綯い交ぜがとにかくスリリング。博太郎先生はいつ登場するのだろうか。
1月23日
「運命の人」第二話観たよ。久しぶりに面白すぎる硬派ドラマで、ゾクゾクした。柄本明も「妖怪人間ベム」よりずっと良い。メロの部分も秀逸で、ネックレスとスカーフのカットバックのシーンは増村保造を想起する。山内正とか池野成の音楽のあの感じ。そして、真木よう子が大女優に脱皮する予感。
2012年01月24日(火)1 tweet
1月24日
「運命の人」は原田泰造の配役が凄い。コメディアンとしては1ミリも笑えないけど、何故か役者としては変な味がある。それにしても、二昔くらい前の本田博太郎や佐野史郎がやりそうな、寝取られ亭主の性格俳優枠を、よくも振ったものだ。しかも、今のところちゃんとこなしているのだ。
2012年01月30日(月)2 tweets
1月30日
「運命の人」第3話観た。凄いテンションで突っ走る無敵の実録ドラマ。今回もその勢いは全く衰えず、弓成記者の逮捕までをゴリゴリと押し切る、恐るべき硬派ドラマ。とにかく真木よう子が、あのハスキーヴォイスに似合った役柄に遂に遭遇したことの奇跡がドラマを過熱させる。
2012年02月14日(火)1 tweet
2月14日
「運命の人」第4話(5話じゃないよ!)はつなぎの回という感じだなあ。”知る権利”キャンペーンの描き方が説明レベルなのはいかん気がするなあ。ここにドラマ全体のテーマの重要な部分が連結してくるはずだと思うのだが。博太郎先生の出番も一瞬で、えっ!?て感じ。
2012年02月22日(水)3 tweets
2月22日
「運命の人」の真木よう子は「妻は告白する」の若尾文子を髣髴させる。いつか増村映画のヒロインのように強烈な愛の自己主張をはじめるのではとドキドキしながら毎週観ている。第6話のアパートの場面や週刊誌記者とのコンタクト場面なども真木よう子は秀逸だった。
2月22日
「運命の人」は4、5話が吉田健Dの担当で、6話から土井裕泰Dが復帰。吉田Dの担当話はちょっと地味で不利なエピソードだったね。6話は真木よう子の見せ場が多く、引き続き地味な裁判闘争編ながら、ちゃんと盛り上がる。疑惑の一夜が徐々に明かされ、旦那とは別の週刊誌に働きかける。
2月22日
「運命の人」は第5話で弓成が国民の知る権利を主張して裁判闘争を闘う決意をするまで。で、第6話は、と言いながらも凹んで北九州の実家に逃げた弓成が裁判に復帰するまで。次回は外務官僚の証人尋問から。博太郎先生は今回も一瞬の登場で、ビックリ。
2012年02月28日(火)1 tweet
2月28日
「運命の人」第7話は、今回も博太郎先生はこんだけ!?という印象。毎回、ワンカットだけ登場という何かの実験?
2012年03月04日(日)1 tweet
3月4日
山崎豊子「運命の人」第2巻を読んでます。テレビ版で腑に落ちなかったこと、説明不足のこと、もろもろがちゃんと描写されていて、やっぱり面白いわ。でも、三木昭子の強烈な存在感はテレビ版の真木よう子の功績だよ。
2012年03月20日(火)4 tweets
3月20日
『運命の人』最終回は非常に意欲的で感動したが、三木昭子の決着については少し不満が残った。原作ではどう描かれるのだろうか。空港でのすれ違いも、もう少し違う演出があったと思うが。でも、三木昭子のキャラクター造形には土井裕泰ディレクターの功績が大きいと思うよ。
3月20日
『運命の人』最終回良かったのだが、CGは妙に安手で興を削ぐ。VFXには定評あるTBSなのに、なぜ?
3月20日
『運命の人』遂に最終回観ましたよ。原作に比べ裁判部分が弱く、知る権利の掘り下げは足りなかったが、原作の第4巻部分の沖縄編を2時間スペシャルで念入りに描く。原作はまだ4巻まで読めていないが、ドラマは綺麗に決着した。ラストのナレーションも良い。今ドラマ化する意義が明確に示される。
3月20日
『運命の人』にはまって、春日太一の『仁義なき日本沈没』で『激動の昭和史・沖縄決戦』の舞台裏を読み、舛田利雄の『あゝひめゆりの塔』を観て、『ゴジラ対メカゴジラ』を観る、沖縄三昧な私。『運命の人』はよく頑張ったよね、TBS。
2012年03月31日(土)1 tweet
3月31日
『運命の人』第三巻読了。なるほど、第四巻には三木昭子は登場しないようだ。テレビ版の三木夫妻の結末はとって付けたようなエピソードだった。でも、弓成、三木の二組の夫婦の話としての対比構図が必要なのは理解できる。
2012年06月11日(月)1 tweet
6月11日
実は山崎豊子の『運命の人』を本日読了したところ。大変重厚で面白かったですよ。第4巻についてはドラマ版の工夫の方が良い部分もある。ついでに、みなみ会館で上映予定の『誰も知らない基地のこと』というドキュメンタリー映画も気になってきた。
参考
maricozy.hatenablog.jpmaricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
東宝特撮の名作『世界大戦争』で、当初の橋本忍の構想では沖縄の米軍基地が主要舞台のひとつになる予定だった。当然、東宝に却下された。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp