あゝひめゆりの塔 ★★☆

あゝひめゆりの塔
1968 スコープサイズ 118分
DVD
企画■高木雅行、八木保太郎 原作■八木保太郎 脚本■八木保太郎石森史郎若井基成 撮影■横山実 照明■藤林甲 美術■木村威夫 音楽■真鍋理一郎 監督■舛田利雄

■渡哲也が登場する導入部分(音楽が真鍋理一郎なので、まるで『ゴジラ対ヘドラ』なのだ)が一番良かったなあという残念な映画。「明治百年記念映画」というタイトルからして、胡散臭さ芬々だ。

■撮影や照明はさすがに力感があるのだが、演出が粗い。特にラストの自爆シーンなど、単純にNGカットではないか?あれでは悲劇の締めくくりにならない。やはり今井正版を観ないと話にならないかなあ。沖縄らしさの希薄さも気になるなあ。

補遺

■この時期、吉永小百合は大学にも入学し、人気も低迷してきたので、日活での出演作も激減している。そんな折、この脚本を読んで久しぶりに意欲的が湧き、現場での怪我もいとわず積極的に取り組んだものの、完成した映画を観て唖然としたらしい。ちっとも感動しないし、泣けないし、熱演すればいい映画になるわけではないことを身を持って知ったのだった。

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