基本情報
AI崩壊 ★★☆
2020 スコープサイズ 131分 @アマプラ
企画:北島直明 脚本:入江悠 撮影:阿藤正一 照明:市川徳充 美術:小島伸介 音楽:横山克 VFXスーパーバイザー:赤羽智史 編集:今井剛 監督:入江悠
感想
■近未来の日本、桐生(大沢たかお)が開発した汎用型AIが突如機能停止し、日本は機能不全に陥る。誰がマルウェアを仕組んだのか?警察のAIシステム百目は、たまたま日本に帰国していた桐生が犯人と断定する。しかも桐生の娘がAIのぞみの氷点下のサーバー室に閉じ込められ死のカウントダウンが始まる。桐生の孤独な逃亡劇が始まった。真犯人は誰か?娘は救出できるのか?
■という近未来SFサスペンスで、近年韓国映画では強烈なサスペンス映画の傑作が大量生産されているので日本映画も頑張ってほしいところなので、応援する気持ちで観ましたよ。それなりに話題になっていたけど、コロナ禍で劇場では観られなかったのでね。しかも入江悠の完全オリジナル作品。ひょっとして良いんじゃないの?と。
■いやじっさい悪くはないですよ。オーソドックスに構築されているし、演出のリアリティはさすがに見せる。特に編集が今井剛なので、さすがに上手い。半分くらいは演出よりも編集の功績だと思う。真剣に。ちなみに、今井剛は『るろうに剣心』『キングダム』『GO』『春の雪』『映画大好きポンポさん』とか、近年の話題作、大作の編集をことごとく手がけるすごい人。今調べて知ったけど、これ凄い人だなあ。最新作は『沈黙の艦隊』と『リボルバー・リリー』って、どんな人だよ?
■ただし、正直なところ脚本はこのジャンルに強い専任脚本家とかSF作家とかを入れたほうが良かったよね。それこそ伊藤和典とか櫻井武晴で良かったのに!真犯人は全く意外性もないしなあ。韓国映画やハリウッド映画ならさすがにもう少し撚るだろうね。でも、AIのぞみのデザインワークとか巨大なサーバー室の映像表現なども意外によくできていて、VFXは地味な仕事をよくこなしていると思うぞ。あれがダサいと目も当てられないからね。そのあたりは日本映画も最近うまくなったよね。
■配役も豪華だけど、三浦友和も広瀬アリスもステロタイプな脇役だし、玉城ティナもまったく魅力のない脇役だし、もったいないことこの上ない。みんなすごくできる人なのに。特に女優の撮り方が下手なんじゃないかな、とは感じた。一方で超重要な役が賀来賢人とか岩田剛典とか、観に来るおじさんおばさんには誰それ?状態。もちろん、筆者にとっても同様だぞ。正直、見分けがつかないぞ!芦名星も老けたなあ、とか。ここにも高嶋政宏がいるよ!とか。瞬殺される首相役の余貴美子など、贅沢というか無駄遣いというか。。。一方で、岡部たかしが『エルピス』と同じ感じで登場したり、螢雪次朗がなぜか超重要な役どころで登場したり、妙な味があって楽しいけどね。実際、螢雪次朗は、とても良かったよね。なにしろ制作会社は(個人的に謎の多い)クレデウスなのだ。
■そうそう、こうした近未来科学フィクションは日本では「科捜研の女」が先駆者なので、「科捜研の女」のフォーマットの中でやるのが正解な気がする。沢口靖子VS大沢たかお、でいいじゃないか。いやその方が燃える!「科捜研の女」って、時々先鋭的な尖った話を作るからね。絶対、その方がよかったよ。
参考
今井剛は、いま日本一の編集技師じゃないのか?アクション大作は全部担当してます!
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