るろうに剣心 京都大火編
2014 スコープサイズ 139分
ユナイテッドシネマ大津(SC5)
脚本■藤井清美、大友啓史
撮影■石坂拓郎 照明■平野勝利
美術■橋本創 音楽■佐藤直紀
アクション監督■谷垣健治 VFXスーパーバイザー■小坂一順
監督■大友啓史
■超絶ハイスピードチャンバラ映画の新作で、とにかく今時珍しい純粋チャンバラ映画なので、それだけでニヤニヤしながら観てしまったが、厳しく考えれば、お話は単純&希薄で、昔の東映映画なら90分で語りきってしまう程度の内容。
■京都大火編と謳いながら結局京都大火は起こらないというのもこのてのチャンバラ時代劇にはありがちなことだし、後篇に続く!という引きも、中村錦之介の初期時代劇かという昔懐かし感。田中泯に忍者をやらせて、しかもアクションシーンを割り振るというバカバカしさも、その意気やよしという感じ。さすがにアクションは吹き替えが多いが、よくもそんなバカな役をやらせたもんだと感心することしきり。こうした大物俳優の無駄遣い感も昔の東映映画にはありがちなことで、懐かしいなあ。
■主人公に敵対する包帯男を藤原竜也が演じるが、これがまた顔を出さなくてもそれとわかる臭い演技で、凄い凄い。藤原竜也は見栄えが甘く生まれついたのが間違いで、本来はもっとコテコテの個性派俳優になるべき人だろう。
■しかし肝心のアクションシーンは案外控えめで、前作の吉川晃司との対決のような傑出が無かったのは残念。クライマックスの京都場面がテレビなどで見慣れたオープンセットなので、せっかくの大作のはずなのに妙にスケール感が尻すぼみなのはいただけない。もっと観たことのない舞台装置で闘わないと、アクションは映えないよ。