パーカー ★★★☆

Parker
2013 スコープサイズ 118分
DVD

■独自の規律を重んじる悪党パーカーが、ド汚い悪党どもに奪取された仕事の分け前を取り返して、悪党なりの信義を確立するために、偶然出遭った不動産屋の中年OLの助けを得て彼らを追い詰める・・・

ジェイソン・ステイサムが悪党ながら罪の無い素人衆には手を出さないという昔かたぎの凄腕犯罪者を演じる痛快ハードボイルド。特に、後半にジェニファー・ロペスが登場してから、ステイサムのユーモアが際立ちはじめて、非常にいい味を発揮する。不動産屋のOLながら、息苦しい現実から脱出するために悪事も厭わない中年女の無様さと可愛さが後半の大きな得点源となっている。

■監督はなぜかテイラー・ハックフォードだけど、アクションとバイオレンスの見せ方は堂に入ったもので、アクション映画のお手本と言っても過言ではない。中盤の高層ホテルでの殺し屋との一騎打ちも痛々しくて秀逸だし、終盤の殴りこみ(潜入?)シーンのガンアクションもいちいち的確で、痛快。

■そして、悪党たちの血みどろの殺し合いを見たはずなのに、珍しいほどに爽快で清々しいラスト。悪党パーカーはひげの生えた○○であるという締めくくりは、ジェイソン・ステイサムの持ち味にピッタリな見立てであった。さすが、テイラー・ハックフォード、上手いもんです。感心。

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