ブリッツ　★★★ - まり☆こうじの映画辺境日記

BLITZ
2011 スコープサイズ 97分
DVD

■ロンドンのはみだし刑事が、警官連続殺人の犯人ブリッツを追い詰めるが、証拠不十分で保釈されてしまう．．．というありきたりな刑事ドラマをジェイソン・ステイサム主演でタイトに描くアクション映画の快作。アクション映画といっても体技の映画ではなく、ちゃんとしたオーソドックスな活劇。

■個人的な恨みがある警官を血祭りに上げる犯人ブリッツに対して嫌悪感を煽って警官側に感情移入させるエリオット・レスターの演出は成功しており、最後には誰しも暴力刑事に感情移入して、殺れ、殺ったれと応援してしまう。内なる暴力衝動、復讐感情に気づかされる倫理的な映画でもある。

■ジェイソン・ステイサムとコンビを組むゲイの刑事をパディ・コンシダインという人が演じているのだが、なかなか面白い組み合わせ。ただ、各々のキャラクター設定が今作では生かされておらず、ひょっとするとシリーズ化を狙っていたのかもしれない。覚せい剤に手を出す女警官なども面白い脇役だったが、十分に生かせていない憾みはある。しかし、ジェイソン・ステイサムの地味な風体が地味な警察ドラマによくマッチしているから十分楽しめるよ。