シリーズ2作目『続・座頭市物語』★★★☆

続・座頭市物語
1962 スコープサイズ 73分
DVD
脚本■犬塚稔
撮影■本多省三 照明■伊藤貞一
美術■太田誠一 音楽■斉藤一
監督■森一生

■あくまで前作の続きで、語りきれなかったことを拾いますよというスタンスで、ほとんどドラマらしいドラマもないままに終わる不思議な続編映画なのだが、これまた森一生らしい変なところで才気を感じさせる演出が健在で、侮れない。

■悠々としたモノクロ撮影の美しさも見所だが、なんといっても勝新と若山の兄弟対決は期待通りに凄い。森一生の演出はアクションをスペクタクル化する方向には向かわないのだが、短いやりとりの中に各人の本気の気魄を感じさせるには十分だ。欲を言えば、もっと尺を長くして因縁のドラマを描きこむべきだったと思うが。

■なぜかあまり人口に膾炙しない本作だが、ラストに迸る座頭市の殺意の閃光は生涯記憶から消えることはないはず。特に秀逸な幕切れは劇場で観た人の衝撃は大きかったはずだが、何故あまり語られないのだろう?

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