北のエリート捜査官VS南のポンコツ刑事!韓流活劇の快作『コンフィデンシャル 共助』

基本情報

コンフィデンシャル 共助 ★★★☆
2017 スコープサイズ 124分 @アマプラ

感想

北朝鮮から偽札原盤が奪われた。犯人を追って南に派遣された北の敏腕捜査官(ヒョンビン)は南の冴えない刑事(ユ・ヘジン)とコンビを組んで先手を打とうと目論むが、実は私怨も絡んでいた。。。

■できが良いとは聞いていたけど、なんとなく後回しになっていたところ、新作『コンフィデンシャル 国際共助捜査』が公開されたので、やっと観ましたが、確かに気持ちのいい快作で、なんとも懐かい風味の味わえる娯楽作でしたね。90年代くらいのハリウッド活劇のバディものを彷彿させるからですね。それにしてもできの良い部類だと思いますね。

■北の堅物捜査官を演じるヒョンビンが単純にカッコいい。アクションのキレはもちろん良いし、笑わないクールな表情が映画を支える。でもどうしても若くして亡くなった田中実を彷彿させるからちょっと複雑な気分を味わうけど。

■対する南のぼんくら刑事はおなじみのユ・ヘジンが期待通りの冴えない庶民派刑事を好演する。そのボヤキ節が毎度のお楽しみ。演出もアクションのハードさとベタなコメディ演出の塩梅が抜群で、こうしたサービス精神が、なかなか近年の日本映画では味わえないところなのだ。なにしろ、ユ・ヘジンの初登場シーンは「太陽にほえろ」にそっくりなテーマ曲がかかるから、監督のキム・ソンフン、なかなかわかった男らしい。

■しかもお笑い要素はほとんど吉本新喜劇なみなのだけど、期待通りのオチがついて、安心して笑わせる。その姿勢を馬鹿にしてはいけない。少女時代のユナをユ・ヘジンの義妹に配置して、完全にコメディリリーフとしたのもいい趣味で、こっそりヒョンビンの部屋に忍び込む場面は、お約束どおりの大爆笑で、お見事。

■クライマックスの派手なアクションシーンがなんと三段重ねになっているのも、90年代の『エイリアン2』以降の作劇を彷彿させる。クライマックスの後に、まだもうひと押しあるという、懐かしいあれ。ガミガミうるさい嫁さんが、ごちゃごちゃ言い訳はいらんから、はよ行ってヒョンビン助けて来い!でも絶対無事で戻ってくるんやで!と内助の功(?)で送り出す場面も、お約束どおりだけどさらりと泣かせる名場面。日本語吹き替えは絶対、大阪弁でお願いしたい!


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