基本情報
극비수사 ★★☆
2015 スコープサイズ 108分 @アマプラ
感想
■朴正煕大統領の時代、ふつうに賄賂が横行していた時代の1978年に発生した「チョン・ヒョジュ誘拐事件」を基本的にそのまま映画化した実録映画。釜山の社長の娘が誘拐され、地元の占い師キム導師(ユ・ヘジン)の言う通りに所管が違うコン刑事(キム・ユンソク)に捜査を依頼するが、犯人はソウルで身代金を渡すと言い出すと、釜山とソウルの警察が合同捜査を始めることに。当然のように捜査本部で軋轢が生じて捜査の障害にあうと、コン刑事とキム導師が独自捜査を始める。。。
■監督がクァク・キョンテクなので悪くはないけど、なにしろ実録どおりなので、全部占い師の言う通りに展開するから、意外な展開とかはないのだ。フィクションなら、だめじゃんという話だけど、実際その通りの事件なので仕方ないのだけど、それ面白いのか?という話だ。前半1/3は凄いハイペースな編集である意味いい調子で、ドラマの本筋はソウルに舞台が移ってから展開する構成。コン刑事の嫁の挙動が完全にヤンキーという韓国映画お約束の愉快な描写がここでも展開されて、和みます。これがないと韓国映画を観た気がしない。
■一方で、キム導師を演じる名優ユ・ヘジンはここではひたすらシリアスで、占いの結果には家族の命運がかかっているので、必死だ。その切実さに感情移入できるように描かれているけど、ただどこまでいっても、占いの話なので、素朴に信じることもできないし、当時の韓国の民衆の間ではかなり信頼を得ていたんだなあという民俗学的興味でみることになる。あるいはその民俗部分をもう少し丁寧に掘り下げれば、韓国以外でも説得力、普遍性を持ったかもしれない。
■ちなみに「チョン・ヒョジュ誘拐事件」はなんと映画で描かれた一次誘拐のあとに、二次誘拐があり、それだけで唖然とするけど、事実らしい。犯人には共犯者がいるという予言は、のちの二次誘拐を差していたらしい。というけど、それもなんだかなあ。
参考
クァク・キョンテクは『友へ チング』が有名だけど、これも良かったよな。
maricozy.hatenablog.jp