自らの思想を実践したパフォーマー?実存主義は過去の遺物か?『 サルトル『実存主義とは何か』 2015年11月 (100分 de 名著)』

■実に10年前の、NHKの名物番組『100分 de 名著』のテキストですが、正直。。。物足りないですね。あまりにも短いので仕方ないけど。この短さで、思想や哲学を理解するのは至難のわざだろう。

■でも逆にサルトルの哲学を知るには、むしろAIに訊いたほうが端的に分かりやすい気がする。AIの、ざっくりまとめて、わかりやすく提示する能力は、バカに出来ないレベルに達したと思います。もちろん、哲学、思想の、深い入り組んだところまではたどり着けないわけだけど、大掴みにすることはできるし、そもそも普通の人間にとっては、それで十分なのだ。マニアックな専門家でなければ、そんなに深いところまでは必要ないし、そもそも、専門家が理解できても、普通の人が理解できなければ、実質的には意味がないのだから。思想なんて、そんなもの。

■実は、最近日活ロマンポルノの作劇についていろいろ気になって調べているのだけど、桂千穂がサルトルは戯曲が面白いんだと言っていて、実際、日活映画とかロマンポルノとか、実はかなりサルトルの影響下にあるのではと感じている。

■専門外なのでよく知らないけど、サルトルの哲学は、その著書よりも、その人生、実践において意味があるのだと感じる。乱脈ともいえる、性別を超えた自由恋愛(なのか?)の世界は日本にも大きなインパクトを与えた。1950、60年代にその生活の一挙手一投足が注目されたのはそういうこと。逆に、そのあとの時代では、輝きを失った。そんな気がする。でも、その実存主義は意外に今も生きていて、通用する部分は多いと感じる。そこを読みとることが重要。

■ヒューマニズムのなかには「人間を作り直す」という思想があり、それは全体主義に繋がるし、実際にそうなった歴史があるとか、興味深いところですね。強引にとか、計画的にとかいい出すと、怖い世界ですね。「人間を作り直す」のは自主的に行うことですね。でも、教育て、実は「人間を作り直す」ことがありますね。さらに、挫折の中にはわずかな成功が含まれていて、そこに希望が残っている、進歩はそのようにしてしか実現しないとか、なかなか含蓄が深いですね。いまや、世界は完全に弱肉強食の世界に退行して、「第三次世界大戦」体制に移行しつつある。サルトルなら、どう言うのか?そこを、各自で想像してねという、そういう読み方が、求められるわけだね。

■そして、サルトルの著作は基本的にやたらと長大なので、その思想のエッセンスを知りたければ、戯曲を読むのが、やはり近道な気がするなあ。あれって、昔の仏教説話みたいなもんだから。いわば、実存主義説話?

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