2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧

目からウロコ、には至らない入門書『ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 』

今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 (講談社現代新書)作者:牧野 雅彦,ハンナ・アレント講談社Amazon■講談社現代新書の「今を生きる思想」シリーズは、約100頁で、思想家のエッセンスをサクッと把握しようとする、なかなか意欲的な企画です…

残念ながら妙にショボい!NHKスペシャル時代劇『眠狂四郎』

2026 NHKスペシャル時代劇『眠狂四郎』 ★☆■原作:柴田錬三郎 脚本:酒井雅秋 音楽:池頼広 演出:一色隆司■長谷川博己が眠狂四郎を演じて、NHKと東映京都が組んで製作した話題作?■だけど、正直いろんなレベルで微妙なデキで、かなりがっかり感が強い。眠狂…

これ意外に傑作では?『黒の報告書』(2周目)

黒の報告書 [DVD]宇津井 健Amazonmaricozy.hatenablog.jp ■『ソフト/クワイエット』が全編1カットで、メリハリが混濁していて、なんだか自律神経が乱れたので、神経系をリセットするために、増村を観ました。■もともと黒シリーズでは『黒の試走車』がベス…

ブラムハウスだけど、胸糞映画!『ソフト/クワイエット』

ソフト/クワイエットステファニー・エスティスAmazon 基本情報 Soft & Quiet ★★☆ 2023 ヴィスタサイズ 92分 @アマプラ 感想 ■基本的にカットを割らない映画は生理的に気持ち悪くて好きじゃないのだけど、本作は全編1カット。まだ何も起きない序盤からすで…

近代日本を方向づけた戊辰戦争のトラウマ!半藤一利&保阪正康著『賊軍の昭和史』

賊軍の昭和史作者:半藤 一利,保阪 正康東洋経済新報社Amazon■官軍と賊軍。随分古い話のように思うけど(実際古いけど)、少なくとも戦中、戦後までかなり実質的な影響を及ぼした。そうに違いないという妄想と邪推の交錯。そのあたりが愉快で読みどころ。戦前…

主旨に新鮮味はないけれど、いろいろ妄想を刺激する、白井聡著『国体論 菊と星条旗』

国体論 菊と星条旗 (集英社新書)作者:白井 聡集英社Amazon■日本国憲法の上位に日米安保と地位協定があり、その一部は密約の闇に隠れているけど、実質的に日本は米国の下部組織(属国)ということについては、以下の著作を読むだけで、具体的に理解できるので…

サントラ見聞録:なんと「残酷おんな情死」(@真鍋理一郎)のサントラが聞けるレア盤!『エロチカ狂想曲』

エロチカ狂想曲アーティスト:高波敬太郎(監修),三上寛,南雲修治,スペシャルズ,スペシャルズ,平岡精二,サントラプライエイドAmazon 商品説明1995年にリリースされたサントラレア音源を収録した人気シリーズ「Go! Cinemania」が待望の再発です。この’エロチ…

意外に見応えあるノワールなSP映画『汚れた顔』

汚れた顔青山恭二Amazon 基本情報 汚れた顔 ★★★ 1959 スコープサイズ 42分 @アマプラ 企画:茂木了次 原案:笹川弘三 脚本:岡田光治 撮影:間宮義雄 照明:高橋勇 美術:西亥一郎 音楽:馬渡誠一 監督:森永健次郎 感想 ■汚職事件に関与して一人で罪をかぶ…

殺人事件を雑に解決!でも演出はシャープで快調な、黒シリーズ第4作『黒の死球』

黒の死球宇津井健Amazon 基本情報 黒の死球 ★★★ 1963 スコープサイズ 83分 @アマプラ 企画:原田光夫 原作:高原弘吉「あるスカウトの死」 脚本:田口耕三 撮影:中川芳久 照明:泉正蔵 美術:山口煕 音楽:奥村一 特殊撮影:築地米三郎 監督:瑞穂春海 感想…

映画『国宝』でお馴染みの、アレ!文楽京都公演2026 Bプログラム『曽根崎心中』@京都府立文化芸術会館

■京都府立文化芸術会館では毎年、この時期に文楽が上演されているけど、はじめて行きました。基本的に大阪の文楽劇場で観ていたので、新鮮でしたね。なにしろコンパクトな会場なので、舞台も出語り床も近くて、非常に見やすい。今回は5列目の床の間近だった…

妙に「いなたい」偽札事件の顛末!黒シリーズ第3作『黒の札束』

黒の札束川崎敬三Amazon 基本情報 黒の札束 ★★☆ 1963 スコープサイズ 93分 @アマプラ 企画:藤井浩明 原作:佐野洋 脚本:高岩肇 撮影:宗川信夫 照明:伊藤幸夫 美術:高橋康一 音楽:土橋啓二 監督:村山三男 感想 ■佐野洋の『重い札束』が原作で、偽札事…

若者は「恋と革命」のために生きろ?お馴染みの時事放談第三弾、内田樹✕白井聡著『新しい戦前』

新しい戦前 この国の"いま"を読み解く (朝日新書)作者:内田 樹,白井 聡朝日新聞出版Amazon■面白いですよ。正直、両者の単著より面白いと思う。親子ほど年の離れた二人が、時事放談。とはいえ、白井聡が若いのに年寄(?)なんだね。■安倍氏以降(でもない…

日活(にっかつ)ロマンポルノの、圧巻の証言集!『 日活1971-1988』

日活1971-1988ワイズ出版Amazonwww.nikkatsu-romanporno.com■日活ロマンポルノ(後に、にっかつロマンポルノ)は、1960年代日活時代の今村昌平とか中平康の赤裸々な文芸エロ路線の系譜があって、大ヒットも記録している実績があって、1971年に「小型映画」と…

駆逐艦黒雲、かく戦えり!意外な秀作『殴り込み艦隊』

殴り込み艦隊高倉健Amazon 基本情報 殴り込み艦隊 ★★★☆ 1960 スコープサイズ 89分 @公式youtube 原作:萱沼洋 脚本:北村勉 撮影:林七郎 照明:吉田一一 美術:田辺達 音楽:渡辺宙明 特殊撮影:上村貞夫 監督:島津昇一www.youtube.com 感想 ■元海軍士官…

むしろ中国の話以外の部分に惹かれた、内田樹著『増補版 街場の中国論』

増補版 街場の中国論作者:内田樹ミシマ社Amazon■2011年の本ですね。なにしろ内田樹は膨大な著作を著しているので、とても全部はカバーできませんよね。「街場」シリーズ読むのもはじめての経験。■第2講で、梅棹忠夫の『文明の生態史観』(懐かしい)を引いて…

これが伝説!楠見班長の外道捜査とは?シリーズ第2作『横山秀夫サスペンス 第三の時効』

第三の時効 (集英社文庫)作者:横山秀夫集英社Amazon横山秀夫サスペンス 第三の時効(2002) ★★★■横山秀夫の「F県警シリーズ」の名作を2002年にTBSがドラマ化したもの。シリーズの第2作にあたる。かなり以前に観ているけど、ほぼ忘れていた。なにしろ、二十年…

暴論炸裂の、またまた愉快な時事放談!内田樹✕白井聡『属国民主主義論』

属国民主主義論 この支配からいつ卒業できるのか 朝日文庫/内田樹(著者)白井聡(著者)女神の息吹Amazon■内田樹と白井聡の対談本の第2弾です。もともと2016年に出て、2022年に増補されて文庫化されたもの。■それぞれの単著は、まだ読み込んでいないけど、どう…

◀詐欺広告にご注意ください!▶「PDFリーダーが古すぎます」などの「古すぎます詐欺」頻発中

■ご承知の通り、このブログではgoogleのAdSenseを利用していて、広告が自動表示されます。表示する広告については、ジャンルなど、ある程度こちらでコントロールできるので、露骨に品性下劣な広告や、どう考えても胡散臭い詐欺的な広告はブロックしています…

キイハンター備忘録:世界の要人を呪殺せよ!悪魔主義者が跳梁する! #118「踊れ!墓場で幽霊ワルツ」(ネタバレあり)

キイハンタ- MUSIC FILEアーティスト:TVサントラバップAmazon「キイハンタ-」MUSIC FILEVol.2アーティスト:TVサントラ,芥川隆行バップAmazon■1970 脚本:高久進、佐藤肇 撮影:秋野友宏 監督:佐藤肇■キイハンターは基本的に東西冷戦下、ベトナム戦争が苛烈…

ロマポはあまり観てないけど、素朴に私淑してます!『多重映画脚本家 桂千穂』

多重映画脚本家桂千穂作者:桂 千穂ワイズ出版Amazon■大昔に読んだ本だけど、再読しました。日活ロマンポルノ(以下、ロマポ)は環境が整わないと、なかなか観られないので困りますね。ぶんぱくではかからないしなあ。■桂千穂の自選傑作としては、西村昭五郎…

編集し直せばもっと良くなるのに!『大殺陣』(3周目)

大殺陣里見浩太朗Amazon 基本情報 大殺陣 ★★★ 1964 スコープサイズ 118分 @NHKBS2 感想 ■特に好きでもないのになぜか3回も観てしまった、集団抗争時代劇。明らかにいろいろと歪で、そんなにいい出来ではないのに、心に引っかかるディテールがあって、いつも…

日本人は民主主義を捨てたがってる!面白すぎる時事放談、内田樹✕白井聡著『日本戦後史論』

日本戦後史論(朝日文庫)作者:内田 樹,白井 聡朝日新聞出版Amazon■元々2015年に出て、2021年に文庫化された本です。いや、思想家の本て面白いですね。近現代史や戦後史の捉え方に対する補助線の引き方がユニークで、実証的に正しいのかどうかはおくとしても…

二郎さん、ちょっと力みすぎ!黒シリーズ第10作『黒の超特急』

黒の超特急 [DVD]田宮二郎Amazon 基本情報 黒の超特急 ★★★ 1964 スコープサイズ 93分 @BS12 企画:藤井浩明 原作:梶山季之 脚本:白坂依志夫、増村保造 撮影:小林節雄 照明:渡辺長治 美術:下河原友雄 音楽:山内正 監督:増村保造 感想 ■岡山の不動産屋…

読み応えある力作!千葉慶著『日活ロマン・ポルノ入門』

日活ロマン・ポルノ入門作者:千葉 慶ワイズ出版Amazon■結構なボリュームなので、積読になっていたけど、やっと読了。期待通りの網羅感で、日活ロマンポルノの17年間をそこそこ理解することができる。気がする。■映画自体や、撮影の舞台裏のエピソードも当然…

自らの思想を実践したパフォーマー?実存主義は過去の遺物か?『 サルトル『実存主義とは何か』 2015年11月 (100分 de 名著)』

サルトル『実存主義とは何か』 2015年11月 (100分 de 名著)NHK出版Amazon■実に10年前の、NHKの名物番組『100分 de 名著』のテキストですが、正直。。。物足りないですね。あまりにも短いので仕方ないけど。この短さで、思想や哲学を理解するのは至難のわざだ…

【映画脚本レビュー】ほろ苦い青春時代の終わり…長大だけど実に爽やかな、サルトル作『フロイト<シナリオ>』(西永良成訳)

フロイト: シナリオ作者:ジャン ポール サルトル人文書院Amazon■ジョン・ヒューストンの依頼で1958-9年に書かれたサルトルによる映画シナリオの第1稿。本書の原書では、未完の第二稿とシノプシスも載っているらしい。■第1稿は三部構成になっているけど、とに…

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