今日購入した古い「シナリオ」誌のバックナンバー欄を眺めていると、70年3月「戦艦武蔵」(井手雅人)とか70年8月「硫黄島」(菊島隆三、直井欽哉)などは東宝の企画でもおかしくない感じで、8・15シリーズ企画の没シナリオを掲載したっぽい雰囲気があるのだが、他にも71年7月「玉砕」(国弘威雄、佐治乾、田坂啓、野上龍雄)は面子からいって東映だろうか、71年8月「アーロン収容所」(井手雅人、永井素夫)などはちょっと見当がつかないが永井素夫という人は松竹での仕事が多いので松竹の企画だろうか。
この時期、どうしてこれほど戦記映画が企画されていたのか、不思議な気がする。日本映画界がもっとも動揺していた時代なので、こうした大作企画は容易に実現できなかったのだろうが、発注したプロデューサーたちは何を狙っていたのだろうか。