まるで「巨人の星」?意外な快作『プレデター:バッドランド』(ネタバレあり)

基本情報

Predator: Badlands ★★★☆
2025 スコープサイズ 107分 @イオンシネマ京都桂川


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感想

■弱いものは生きるに値しないと父に殺されかけた未熟なプレデターのデク。兄が惑星ゲンナに逃がしてくれるけど、父に殺される。惑星ゲンナでカリスクという最強の生物を狩って男になるため旅するデクは、上半身だけのアンドロイド(エル・ファニング)を拾うと、便利な道具として持参することに。。。

プレデターシリーズは、あまり良いのがなくて、『プレデター2』と『エイリアンVSプレデター』くらいしか感心しなかったのだが、本作は久々の良作で、なかなか見どころがある。まあ、脚本が良いのだね。パトリック・アイソンという人。監督はダン・トラクテンバーグ。『プレデター:ザ・プレイ』も観たいなあ。

■主人公のデクは怪物カリスクを仕留めて父に認められるために強くなるし、その旅の相棒となる上半身アンドロイドは自分の下半身と姉妹と慕う片割れを求めている。その二人のドラマがどう展開するか。そこにもう一人の相棒が参加して、これに実は秘密がある。ちゃんと感情移入できるドラマを仕組んでいるところが成功の要。

■お前は道具だ。と何度もいうけど、本当に彼女は道具なのか?単なる道具から、友に、戦友に変化するところが、まさに基本的なドラマで、よく仕組んでいる。アンドロイドのティアとテッサとの会話で、なぜ私たちは感情を持っているの?人間の感情を利用するためよ。とか、細部に簡潔で上手い台詞を仕込んで、唸らせる。狼の群れの長は、実は最強の戦士ではないのだというエピソードで、デクの認識の成長を促し、描くのも、なかなかの技。ただ、もっと有効に効かせるべきと思うけど。惑星ゲンナの危険生物たちを逆に武器に転用するアイディアは唸りました。まあ、ご都合主義だけど、愉快なので合格なのだ。

■ただ、勿体ないところも多くて、アバンタイトルは長すぎる。母星での戦いはもっと簡潔にいくべきだ。それに、兄が自分の命を賭してまで弟を逃がす動機がよくわからない。脚本にあるけど、割愛されたのかも。正直なところ、アクションとかアドベンチャーのCGシーンはもう食傷気味で、飽き飽きしているので、そこはむしろ短くして、ドラマを充実させたほうが、実はVFXシーンの効果も上がるのだけどね。

■それに終盤の回収段階では、ちょっと丸めすぎ。もっとエッジを効かせて、尖らせるべきだった。最強と言われる怪物カリスクが意外にこじんまりなのも、ちょっと残念。妙にファミリー映画に振ってしまったのは残念で、もう少しハードな転・結にしてほしかったね。いいところまで行ったのに!

■それにしても、中盤からウェイランド・ユタニ社の暗躍が絡んでくるあたりからぐっとドラマのサスペンスがドライブしてくるところが燃えるし、クライマックスの怪獣対あれとかも、待ってました!の拍手シーン。エル・ファニングの愛嬌とか華に助けられた部分も多くて、配役は大成功だね。



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