■劇場で1回、DVDで2回目の鑑賞。何度見ても楽しめるという意味では、なかなかの傑作といえるかもしれない。「キングコング対ゴジラ」、「座頭市と用心棒」といった企画モノ路線のキワモノ映画のはずが、ポール・W・S・アンダーソンの趣味の良さで、非常に清々しいアクション映画として成功している。
■エンディングが11分ほどあるので、正味は90分程度の中に、下手なドラマは一切持ち込まず、南極地下のピラミッド探検と、徐々に姿を現すプレデターとエイリアンのハンティングだけを絡ませて、サスペンスを醸成しながら三つ巴の大アクションにもつれ込む。そのアクションのドラマ的構築に工夫があり、見せ方も巧い。両キャラクターの激突は、完全に怪獣映画の怪獣プロレスの呼吸で演出されており、豪快な技の出しあいが、CGの助けを借りて自在に表現される。
■VFXスーパーバイザーのジョン・ブルーノは実写で撮れるところは実写で撮れ、できないことだけCGを使え!という実にもののわかった御仁で、実際、ミニチュアや着ぐるみも多用され、実写では撮りきれない部分にCGが利用されており、メリハリが利いて効果絶大だ。メイキング映像集も、VFXについて痒いところに手の届く構成と演出を見せ、映画を倍以上楽しませてくれる。メイキング作りの巧さは、邦画のDVDも見習ってほしいところだ。パイパー丸の航海、捕鯨基地の崩壊、桎梏に喘ぐクイーンエイリアン等々、実に大掛かりなミニチュアワークだが、CGとの合成によって、ミニチュア撮りきりの質感を逆に隠している。
■また、本作はスーパー35で撮影されており、トリミングしてスコープサイズに仕上げていることも確認できる。