いろいろ大爆笑の、NHK「100カメ 大河ドラマ「光る君へ」平安の雅を生み出す舞台裏」

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NHKの「100カメ」で「光る君へ」の舞台裏が紹介されました。これが非常に興味深く、面白い番組だったので、記録しておきますね。大爆笑でした。

■第34話の「曲水の宴」がいかにして撮影されたかのプロセスが中心です。演出は若手の松本仁志で、演出部は5年目らしく、まだまだ半分ADみたいな感じです。部下の女性ADに、サンドイッチの食べ方がハムスターみたいで腹立つ(かわいこぶってる!)とか言われる始末。演出家は調整室にいて、ステージは別立てなので、普段の指示はADが大声で行い、直接指示が必要な場合は、Dがステージに走るという仕事の仕方らしい。結構、頻繁に走るので、大変そうだ。映画の撮影とは、全く感じが違います。

■川の流れを、盃を乗っけた鳥さんの造形物が流れるだけの場面だけど、どれだけ手間と時間がかかっているのかがよく分かる。NHKならではの手間のかけ方だろう。造形物は外注の家族工房で作るけど、ラジコンを仕込むのに結構苦労して、きれいな作り物ができて好評だけど、セットが出来上がってみると美術部の腕で、ラジコンのないふつうの造形物で撮れそうだよ!とか、不憫な展開に。そもそも、操演担当者はないのか?と特撮者は考えるけど、実質的に小道具造形業者のおじさんが操演担当を兼務。このあたりだけでお腹いっぱい楽しい。

■けど、さらに大好物なのは、全スタッフ打ち合わせで、松本Dが演出プランをプレゼンする部分。なんと演出部チーフの中島由貴、長老の黛りんたろう、佐々木善春らが勢揃いで、松本Dの演出プランに容赦ないダメ出しが。「ここで扇がCGで蝶になってというアイディアが」「いやいや、アニメぽいのは違うなあ」「では、なしということで。。。」チーフDの中島由貴が、ちゃんとシリーズ全体のことをイメージしながら、調整します。でも、こんな形で打ち合わせをしているとは、想定していなかったので、新鮮な驚きでしたね。演出部全体で演出してますという体制。黛りんたろうは半分寝てるような風情で、お目付け役として(?)渋い顔をしてるし。このあたりも大爆笑ポイント。

■現場では、松本Dが突然、雨の振り方に注文を付けたもんで、特効の親方が、「そりゃできるけど、前もって言ってくれよ。なんのために昨日技打ちやったんだよ!」とすかさず文句つけると、ADは「怒られちゃったよ」とぼやく。撮影現場あるある。

■さらに、美術チーフは、「なんでここから引きの画がないの?」とキャメラマンに尋ねると、「言ったんだけど、ヒトシがいらないって。」との回答。すかさず松本Dにねじ込んで圧をかける美術チーフ。「引きの画、いるよね?」「了解です!」これも、昔々からの撮影現場あるある。美術部は、このアングルが最高!というデザイン、建て方をしているので、その画角がないとカチンと来る。職人としてはね。ベテランの監督やキャメラマンは分かってるから、一応は撮る。編集で落とすかもしれないけど。美術部はそれで満足する。

■そうそう、中島由貴て、なんとなく若手というイメージのままだったんだけど、そんなわけなくて、もう大ベテランの域ですね。直接知っているのは2000年代に入ってからの作品だけど、それにしたって15年くらい前の話。すでに1996年の『秀吉』とか撮ってますからね。NHKでは女性Dの先駆者ということでしょうね。

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