基本情報
特撮ドラマ 超速パラヒーロー ガンディーン ★★★
2021 ヴィスタサイズ
脚本:まなべゆきこ(1話、2話)、小林弘利(3話)撮影:カトウジュンイチ、桜井景一 照明:鎌田春樹 美術:小林巧 音楽:原文雄 映像技術 : 坂上和也(第1話)、大畑智也(第2、3話) VFX:今井元 特殊メイク:百武朋 演出:辻本貴則
感想
■「遭遇:encounter」「秘密:secret」「共闘:team」の3話からなるミニシリーズ。本放送時に録画してあったのをやっと観ました。
■もともとアラタFGという制作会社からNHKの西村Pに提案のあった企画らしい。アラタFGという聞いたことのない制作会社は、なんと北浦嗣巳が起こした会社なので、要は『生物彗星WoO』繋がりということですね。北浦嗣巳は円谷プロでずっとニュージェネ路線のチーフPを担当しているので、円谷プロ所属かと思っていたけど、どうも契約Pだった模様。本作も実際は北浦Pが絡んでいるけど、円谷プロとの関係もあるので名前は出していない、ということじゃないかな?
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■いろいろと文句はつけられるけど、ドラマとしては悪くなくて、小芝風花と奥野壮の二人主演というのもヒーローものとしては珍しいし、なによりパラスポーツを主題として、肉体的ハンデがあってもヒーローになれる!怪獣と戦える!という新機軸はユニーク。考えてみれば「座頭市」なんかが祖先なんだろうけど。小芝風花はNHK的には『トクサツガガガ』からの移行だろうけど、コメディタッチは上手いし、小動物っぽくて素朴に可愛くていいです。敵役の異星人がなんと水野美紀で、日本語の台詞はないというのもさすがのこだわり。でも、もっと本格的な大芝居を見たかったなあ。勿体ない。
■いちばん感心したのは主人公の父親で町工場の社長を演じるつるの剛士のハマりっぷりで、見事な貫禄だし、ちゃんと上手い。この配役は大成功だった。先輩ヒーロー、ヒーロー経験者ならではの懐の深さで、息子や異星人と向き合いながら、地元の伝承を解読する大活躍。ウルトラマンダイナ=アスカ・シンの姿が巧まずも自然と浮かび上がってくるから感動もひとしお。勢いで変身するかと思ったよ。怪しいおばあちゃんが白石加代子というのもずいぶん贅沢だな。
■桜井景一がキャメラマンを担当して特撮も当然本格的なんだけど、実は相当な低予算らしく、ビルの内引きのカットなどは円谷プロのニュージェネ以上に異様に手がかかっているけど、オープン撮影のビル街のミニチュアセットなどは、マーブリングファインアーツから借りてきたのではなく、ダンボールとかで作った?という気がする(さすがに実際はマーブリングから借りてると思うけど)。破壊場面も、石膏ビルではなく、紙や木材を使っているらしい。でも、特撮の見せ場のアイディアは抜群で、いよいよ都市部で展開する第3話はニュージェネ以上に凄いカットがいくつかあるので、さすがは辻本監督だし、桜井景一の撮影。当然ながら、街の自動車たちは散々ひどい目にあいます!
■と思っていたら、なんとラストに加藤雅也(最近このジャンルでよく見るなあ!)が謎の男として登場して、しれっと怪獣ラゲルトを回収しているし、ガンディーンを非常に興味深いなんて言ってるから、続編やりたくて仕方ないらしい。いや、お話としては完結していないので、ぜひ作って欲しいものだ!