特撮オタクのトラウマに塩を塗れ!本気度満点の『トクサツガガガ』

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特撮オタクのトラウマに塩を塗れ!

NHK名古屋制作で放映された漫画原作のドラマ『トクサツガガガ』は予想以上にエグイドラマだった。隠れ特撮オタクのOLを主人公とするアルアル小ネタ満載の、面白おかしい、それだけの軽いサブカルコメディなのかと思っていたのだけど、実は特撮オタクが抱える「トラウマ」の傷口に指を突っ込んでぐいぐいと粗塩をもみこみ、視聴者に”生き方”を問う、本気印のドラマだった。

あの大空に裸(?)で叫べ!好きなものは好き!

特に第4話「オタクノキモチ」は好きなものを好きと躊躇なく言うことができないオタクたちにとっては、生きること自体が試練であるこの世界で訪れた幸福な仲間との一瞬を切り取って感動的だったし、第5話「ウミノジカン」は女4人が冬枯れた浜辺で穴を掘って特撮写真の制作に興じる、文字通り「特撮」したエピソードで、その無為な時間の幸福感と終盤の過去の自分に「好きなものは何の躊躇なしに好きと言っていいんだよ」と時空を超えて語り掛けるエピソードは、迂闊にも泣かされた。

女子の最大の敵、それはおかあちゃん

ただ、第6話、第7話での最大の敵である母親との対決は少々腰砕けで、第6話で唐突に激高した両者が和食の店内で激しく罵倒しあう場面は、いかにも「ためにする」作劇に見えた。最終話の解決も、実際のところほとんど何も解決しておらず、明らかに続編製作に興味を繋ぐ作りに感じた。主人公のトラウマは特撮好きという志向を母親に強圧的に弾圧されたことによるもので、複雑に捩れがちな母娘関係がもうひとつのテーマだが、そこは十分に納得できる決着ではなかった。

みんないつの間にか、大人女子!

倉科カナとか木南晴夏って個人的には若手、新人カテゴリーに入ったままだったのですが、知らぬ間にすっかり大人になっててビックリ。まあ、知らぬ間に10年くらい経過してたわけだが。あと、武田玲奈って今回初めて認識したけど、一般女子代表のユキちゃん、脇役ながら可愛くて悶絶するね。そして主演の小芝風花は小柄で顔立ちがはっきりしているのでいろんな極端でコミカルな展開が映えるし、事実上この特殊な難しいドラマを支え切ったのだから、凄いよね。

参考

これが原作漫画ですよ。書店で見かけたときは、なんとも奇特な漫画があるものだと感心したものですが、評価も高いようですね。第21回手塚治虫文化賞マンガ大賞最終候補にも残ったそうです!

トクサツガガガ (1) (ビッグコミックス)

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