なぜに恐竜じゃなくてイナゴの日?『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』

基本情報

Jurassic World: Dominion ★☆
2022 ヴィスタサイズ 147分 @アマプラ

感想

■恐竜たちが世界中に放たれ、人間との共存を模索する世界で、遺伝子操作によって生まれた巨大イナゴが食糧危機をもたらす驚異となる。その根源を求めて、バイオシン社の奥深くに潜入するが。。。

■シリーズ三部作の完結編だけど、実に残念な超大作。特に大型液晶テレビで観るとCG感とデジタル合成感がマシマシで、劇場で観るほうが陰影や質感がリアルに感じられるはず。中盤のマルタ島での恐竜たちとのチェイスシーンはさすがに見ごたえがあるけど、それ以外は全く取り柄がない失敗作。大自然の中野CGの恐竜たちが、NHK特集に見えてくるから困ります。いやほんとに。

■そもそも恐竜がテーマになってなくて、人類存亡の危機を握るのは巨大なイナゴって、なに?イナゴの日が観たかったら『リーピング』観ますから、そんな場違いな話をジュラシックでされてもねえ。
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しかも旧シリーズのロートルたちまで引っ張り込むから、お話が無駄に拡散することに。それに、恐竜の密輸組織の話って、そんなに観たい人いるの?ジュラシック・パークジュラシック・ワールドに観客が求めるものをわかっているのだろうか?恐竜密売組織の女を演じるディーチェン・ラックマンという女優はネパール出身のモデルで、個性的な顔立ちなので儲け役だったけどね。

■なんなくコロナ禍の中で企画され、製作されたハリウッド映画ってなんかタガが外れている気がしてて、『ブレードランナー2049』だって、あんな作品、普通ならスタジオが再編集を求めるはずの代物。本作も長い、長い。延々とどうでもいい話が続き、ひらめきのない、サスペンスも効いていない見せ場が垂れ流される。と思ってみたけど、『ブレードランナー2049』てコロナ禍以前の公開だったね。全くダメだこりゃ。

■しかし監督のコリン・トレヴォロウって、第一作があんなに傑作だったのに、どうしたのかなあ。ここはホントにコロナ禍の影響だと思うんだけど。コロナ禍のなかで、共存と変化というテーマ設定は悪くないし、間違っていないのに、肝心のドラマが散々だったのは脚本の責任だけど、監督が自分で考えて書いてるんだよね。

参考



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