デカイ女がバイクで参上!『女番長 野良猫ロック』

女番長 野良猫ロック [DVD]

女番長 野良猫ロック [DVD]

  • 発売日: 2012/04/03
  • メディア: DVD

基本情報

女番長 野良猫ロック ★★☆
1970 スコープサイズ 81分 @アマプラ
製作:笹井英男、飯島亘 企画:佐々木志郎 脚本:永原秀一 撮影:上田宗男 照明:梅野義雄 美術: 斎藤嘉男 音楽:鈴木邦彦 監督:長谷部安春

女番長 野良猫ロック

女番長 野良猫ロック

  • メディア: Prime Video

感想

■ホリ企画製作、日活配給によるB級風俗活劇のシリーズ第一弾。スタッフは日活ニューアクションの常連たちだが、企画・製作がホリプロ傘下のホリ企画というのが肝。笹井英男はもともと日活のプロデューサーだが、ホリプロに招かれ、日活のロマンポルノ転向後は、百恵&友和映画を製作して、東宝で配給することになる。山口百恵の登場する前、大型看板スターだった和田アキ子の主演となると、文芸映画になるはずはなく、イキの良いサイケでロックな風俗活劇が似合う。仮面ライダーは翌年に登場するが、和田アキ子はどこから来てどこへ行くのか正体不明の女ライダーとして登場する。

■お話は至って単純で、もう少し何かの思いを込めればいいのに、東映ならもっと人間関係が濃い味わいになるところが、案外あっさりとしているのが日活の作劇で、梶芽衣子と和田浩次とケン・サンダースの幼馴染の三角関係なんて東映ならもっときちんと描くはず。だから映画としては明らかに物足りない。

■極めつけの低予算映画なので、基本はロケ撮影。60年代後半の日活映画はリアリズムを求めてロケ撮影に出たが、その後はもっぱら低予算ゆえ。ナイトシーンは当然全部夜間ロケで、カラーフィルムがまだ低感度だった時代なので、照明の当てようのない場面は単純に暗くて何も見えなかったりする。重症の和田浩次を庇いながら夜の街を逃げる場面なども、サスペンスにつながらないのは、当時の日本映画にありがちな作劇と演出の弱点。新東宝時代の石井輝男などはモノクロ撮影の機動性とフィルム感度の良さを生かしてちゃんとサスペンスの見せ場にするのだが。

右翼団体らしい悪の組織に中丸忠雄と睦五郎がいるのが凄い。でも映画の主眼は、日活名物エレキ歌謡映画の路線転換としてのロック映画であり、ファッション映画であろろう。その意味では范文雀とか、久万里由香(なぜか十勝花子も)など顔ぶれだけで確かに楽しいし、当然ながら和田アキ子の歌唱も良い。渡り鳥シリーズよろしく、和田アキ子が日本各地に現れる女番長シリーズ映画として期待されていたのだろうか。一応シリーズはされるが、以降はむしろ梶芽衣子に主眼が移るよね。
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