イケボコンビが駄話で事件を解決する?Amazon Original『NO ACTIVITY 本日も異状なし(S1)』

2021 NO ACTIVITY 本日も異状なし(全6話) ★★★

製作:渡辺良介、椋尾由紀子 脚本:じろう(シソンヌ)、土屋亮一(#2、4、5) 撮影:川島周 照明:本間大海 美術:Yang 仁榮 音楽:松本晃彦 監督:英勉

■アマゾンオリジナルの刑事モノ、シチュエーション・コメディ。なんと製作は大映テレビ。それらしいタッチは全く無いけどね。しかも完全オリジナルではなく、オーストラリアのドラマのリメイク企画らしい。大規模な麻薬密輸事件のために配置された刑事が、コンビニのトイレで拳銃を紛失する。一方で、闇バイトで集められた男女が怪しい倉庫の中で、指示役の到着を待つが。。。

■トヨエツと中村倫也のバディって、途中でネタにされるけど「イケボ」コンビだね。主演のふたりはひたすら張り込み中の車の中で、くだらない駄話に興じる。そこにコント味があり、というか、基本コント集で、これがけっこう面白い。このバディに関しては確かに成功している。トヨエツのボケ味、中村倫也のツッコミと、その役割交換。いつものカリスマボイスで清野菜名を癒やしてゆく(?)怪しさ全開の中村倫也に対して、「お前、教習所で何教えてたんだよ?」のあたり最高におかしい。

■一方、警察の指揮所のふたり、木村佳乃清野菜名のコンビは、というか、木村佳乃のテンションが微妙で、さすがに浮いて見える。このあたりは監督がいい塩梅に調整するべきところだけど、うまくいってないと思う。そのため木村佳乃はひとり浮き上がってかなり気の毒なことに。。。そもそも、指揮所のなかで異様な大声でやりとりしているふたりに対して、周囲の反応がなにもないのは、素朴に不自然だ。ふつうのカフェでの会話も、周囲から完全に浮きがっているのも異様。このあたりの、処理(あえていうけど)の塩梅に、どうも怪しさが残って、素直に楽しめない。そこはどう考えても監督の英勉の責任だよなあ。

■配役は異様に豪華で、闇バイトグループが岸谷五朗岡山天音岸井ゆきの、に高杉亘という面々で、なぜか疑似家族になってゆく。さらに相変わらず演技が硬い戸田菜穂。当然ながら三人の人間関係が変化してゆくところがドラマの見どころ。岸谷五朗は存分に変な役を演じて、『光る君へ』よりずっとイキイキしている。

参考

maricozy.hatenablog.jp

英勉は決して下手な人ではないと思う。
maricozy.hatenablog.jp
岸井ゆきのの作品選択もかなり曲(クセ)がある。変な女子だなあ。
maricozy.hatenablog.jp
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