彼の国だってガダルカナルは大苦戦だった『太平洋航空作戦』

基本情報

Flying Leathernecks ★★★
1951 スタンダードサイズ 99分 @DVD

感想

ガダルカナル島の航空支援を命じられた新任指揮官が、ヘンダーソン飛行場を奪還にくる日本兵に対して、危険すぎると危惧された超低空飛行作戦で地上部隊を援護して成功し、昇進するお話をジョン・ウェインが演じる戦記映画。

■ただし、ガダルカナル戦の全体像とか、戦略とか戦術とか、彼我の駆け引きとか、そういった面白そうな部分は一切なくて、あるいみ現場主義のドラマ。ジョン・ウェインの指揮官に対して、昇進できなかった副官のロバート・ライアンが反目することになるけど、最終的にジョン・ウェインは自分の後任にロバート・ライアンを引き上げる。

■というわけで、さすがに脚本的にはすっきりできていて、悪くない。航空戦はほとんど記録映像を使うので、そこは食い足りないけど、実機を使った撮影もあり、そこはさすがに豪快。

ガダルカナルに集められた、ネイティブアメリカンを含む若い航空兵たちが次々に戦死してゆき、遺族に手紙を書くのに苦心するジョン・ウェインの姿に、最終的な戦勝者である米国も決して楽に勝ったわけではないことを、改めて認識する。彼の国ですら弾薬の補充は十分でなく、空軍と陸軍のあいだで、物資の奪い合い(窃盗です)が日常化している。わが国の兵士の地獄のような飢餓状態に比べれば、まだましなもので、殲滅した日本兵から奪った日本酒で酒盛りするシーンなどもあるけど、これは史実らしい。HBOの実録ドラマ『ザ・パシフィック』でも同様に描かれている。

■飛び立つのはいつも怖いんですと述懐する航空兵に、俺とコンビを組めとジョン・ウェインが命じて、なぜ俺が?と問うと、怖いのは当たり前だ、俺も怖い、だからお前が良いんだと応える場面なども、さらっと含蓄の深い、良い場面。監督は、なんとニコラス・レイですよ。


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